ものが捨てられないシニア世代でも、半分捨てられるようになる!? そんな方法を考案したのは整理収納アドバイザーの阿部静子さん。「1日5分1スペース」「ソファにはものを置かない」などのルールを守るだけでリバウンドしないと大人気です。今回は阿部さんのメソッドをまとめた著書『ハンカチは5枚あればいい』(すばる舎)から、「スペース別の片付けポイント」の一部をご紹介します。
【前回】その服、家で洗えますか?「捨てる洋服」の選び方/ハンカチは5枚あればいい
【最初から読む】これでリバウンドなし! 家の片づけ重要なのは「順番」
3人家族なので、お箸、スプーン、フォークは3本が基本です。ケーキ用のフォークは来客分に2本プラス。わが家のライフスタイルに合わせた数です。(撮影/回里純子)
お箸やスプーン、フォークの数は「家族の人数+一度に来るお客様」
キッチンは空間がさほど広くないのに、電化製品、食器、調味料、お鍋、ボウル、食品ストックなど、色々なものがある場所です。
どこから始めたらいいのか迷いますが、一番簡単な場所は、お箸・スプーンが入っている引き出しです。
理由は、それほど大きくない場所で、要不要の判断がつきやすいものが多く入っているからです。
片づけの基本を簡単に学べます。
また、引き出しの中によく入っているコンビニでもらう割り箸、プラスチックのスプーンやフォークは思い入れのないものなので、ラクに処分できます。
災害用にとっておきたいときは、数を絞り、防災グッズ入れにしまいます。
思い入れのないものを処分すると、ものを減らすことに弾みがつきます。
他のものもどんどん減らすことができるようになるのです。
キッチンの片づけの基本は、
全部出す
→要不要に分け、不要なものは手放す
→アイテム別(種類別)・頻度別に分けて収納する
という流れです。
引き出しでも同じなので、早速始めてみましょう。
まずは、引き出しの中のものを全部出します。
受講生さんの中には、使いにくいと感じた便利グッズや壊れたミキサーの羽が入っていた人、ガムテープやビニールひもなどキッチンでは使わないものが入っていた人もいました。
全部出すことで、明らかに不要なものを取り除けます。
お箸、スプーン、フォークはアイテム別に分ける
お箸、スプーン、フォークがたくさんあって、要不要がすぐにわからないときは、まずはアイテム別(種類別)に分けてみます。
こうして分けると、何をどれだけ持っているかよくわかります。
さらにお箸は食事用、調理用、スプーンはカレー用、ティースプーン、スープ用、フォークはケーキ用、パスタ用など用途別に分けます。
「こんなにたくさんケーキのフォークがあったんだ!」と把握でき、「同じ用途のものはこんなにいらない」と減らすきっかけになります。
数を減らすときは、「どのくらいにすればいいでしょうか?」と受講生さんから質問を受けます。
まずは、家族の人数分を確保。
その後は、「お客様が一度に何人来るのか」を考えます。
ポイントはライフスタイルの変化です。
子どもと一緒に住んでいるときは、友達が遊びに来ることがありました。
現役で仕事をしているときは、一度の来客人数も多かったかもしれません。
でも、年齢とともに生活は変化するので、見直しが必要です。
片づけサポートで伺ったお宅でも、たくさんのお箸、スプーン、フォークが出てきました。
「以前は仕事仲間を一度に10人呼んでいたけれど、今は多くても5人」とおっしゃったので、ご夫婦2人分+5人分に減らしました。
今後もときどき見直して、お客様の人数が少なくなれば、さらに減らしてもいいと思います。
収納ケースはものを減らしてから購入する
最後に、引き出しにお箸、スプーン、フォークなどをアイテム別に分けてしまえば完成。
できれば、来客用は分けて入れると、より使いやすくなります。
数が減れば収納は簡単ですし、取り出しやすくなって毎日の生活のストレスが、確実に減ります。
もし引き出しに仕切りがなければ、100円ショップの収納ケースを利用しましょう。
収納ケースを買うのは、ものを減らしてからです。
引き出しに合うサイズの収納ケースを必要な個数だけ買えば、無駄がありません。
キッチンのスタートはお箸・スプーンの引き出しから始めて、片づけのコツをマスターしましょう。
【次回】食料の片づけ法! 「ローリングストック」で"期限切れゼロ"と"節約"を/ハンカチは5枚あればいい
「玄関」「クローゼット」「キッチン」など6つのスペース別片付け術はわかりやすくで始めやすい! 「ハンカチは5枚」の理由もわかります