ものが捨てられないシニア世代でも、半分捨てられるようになる!? そんな方法を考案したのは整理収納アドバイザーの阿部静子さん。「1日5分1スペース」「ソファにはものを置かない」などのルールを守るだけでリバウンドしないと大人気です。今回は阿部さんのメソッドをまとめた著書『ハンカチは5枚あればいい』(すばる舎)から、「スペース別の片付けポイント」の一部をご紹介します。
【前回】「洋服の賞味期限」は決まってますか? クローゼットの片づけ方/ハンカチは5枚あればいい
【最初から読む】これでリバウンドなし! 家の片づけ重要なのは「順番」
要クリーニングの洋服は5着あればいい
60代のセーター好きの受講生さんで、30着くらい持っている方がいました。
「でも、結局着ているのは家で洗えるものだけです。クリーニング代がかかってもったいないから......」とおっしゃいました。
この発言に、他の受講生さんも大きく頷いていました。
30着のセーターのうち、要クリーニングのものは半分くらいだそう。
そこで、「15着の要クリーニングの中から、とくにお気に入りを5着残してみませんか?」と提案しました。
数カ月後には、その受講生さんから「5着にすることができました」と報告がありました。
実は以前、同じようなご相談のときに、私は「5着くらいに減らしましょう」と答えたことがありました。
その受講生さんは、減らすことができませんでした。
私が「減らす」と言ってしまったので、「減らす=処分」とマイナスに考えてしまったのだと思います。
私は反省して、それからは「大事なものを選んで残しましょう」とお伝えするようにしています。
これなら、前向きな気持ちで5着選ぶことができます。
ところで、どうして「5着」なのでしょうか。
全部手放してしまうと、あとで後悔する可能性があります。
でも、着ていないセーターを10着残すのは、クローゼットの中でスペースをとりすぎてしまう。
着ていない洋服の3分の1を目安にした5着なら、後悔もしないし、クローゼットでも省スペースで済む、最小限の数だと思います。
だんだんものが減らせるようになると、もう要クリーニングの洋服は着ないからと、手放せるときが来るはずです。
受講生さんから、「着ていないお出かけ着は質が良いので、いつか部屋着にするからとっておく」という声も聞きます。
もし、本当に家で着るならば、それも良いアイデアだと思います。
でも、要クリーニングのお出かけ着は、素材もデザインも家でリラックスするときに着るには適していないものが多いです。
ゆっくりとテレビを見るときに、お出かけ着ではくつろげません。
みなさんからも、「結局、家では着ていません」という報告が多数。
だから、その役割を終えた洋服は、手放すほうがいいかなと思うのです。
家で洗えるものが増えたので、今後はそれを選ぶ
私は、要クリーニングの服を1着も持っていません。
洋服を買うときの基準は「家で洗えるかどうか」だからです。
もっと若かった頃は、デザイン優先で選び、要クリーニングでも気にしませんでした。
けれども、年齢とともに価値観は変わるもの。
クリーニング屋さんに持っていくのも手間だし、お金がかかります。
そして、家で水洗いできるほうがさっぱりと着られます。
最近は、おしゃれ着も家で洗濯できるものが増えて、便利になりました。
私は仕事で着るスーツ、ジャケットも家で洗濯しています。
【次回】家族は何人? 遊びに来る友達は? 家の片づけがはかどる「スプーンの数」/ハンカチは5枚あればいい
「玄関」「クローゼット」「キッチン」など6つのスペース別片付け術はわかりやすくで始めやすい! 「ハンカチは5枚」の理由もわかります