ものが捨てられないシニア世代でも、半分捨てられるようになる!? そんな方法を考案したのは整理収納アドバイザーの阿部静子さん。「1日5分1スペース」「ソファにはものを置かない」などのルールを守るだけでリバウンドしないと大人気です。今回は阿部さんのメソッドをまとめた著書『ハンカチは5枚あればいい』(すばる舎)から、「スペース別の片付けポイント」の一部をご紹介します。
【前回】家族は何人? 遊びに来る友達は? 家の片づけがはかどる「スプーンの数」/ハンカチは5枚あればいい
【最初から読む】これでリバウンドなし! 家の片づけ重要なのは「順番」
ストックの入った引き出しは、100円ショップのケースで仕切って収納。ケースの中に空き箱を入れ、さらに仕切って使いやすくしています。(撮影/回里純子)
迷わず処分できるのはストックの「賞味期限切れ」
お箸やスプーンの引き出しの次は、食品ストックの賞味期限切れのチェックをしましょう。
賞味期限切れのものは迷わず処分できるので、初心者さんにはやりやすいアイテムです。
片づけサポートで伺ったお宅では、「買ったばっかりだと思っていたのに、もう切れていたんだ......」という声が、賞味期限切れ食品とともに続出。
どのお宅でも想像以上にたくさん出てきます。
賞味期限が切れてから3、4年経っている食品が出てくるのはよくあることで、10年前のものを見つけたときは「すごい!」と、相談者さんと思わず声を上げてしまいました。
日持ちする乾物や乾麺は、あちこちの戸棚から出てくることもよくあります。
これまで、最高で大きなゴミ袋7つ分、賞味期限切れが出たことがありました。
最近はフードロス解消が話題になっていますので、収納だけでなく、食品を無駄にしないことも考えたいですね。
減らした食品ストックは、100円ショップのケースなどを使って、立てて収納すると見やすく取り出しやすくなります。
横にして重ねると、下のものが見えなくなり、忘れることが多くなるので要注意。
賞味期限切れを防ぐために、「視界から見えなくなる」ことを避けましょう。
見えるところにあると、常に意識するし、賞味期限チェックもできます。
余分な買い物をしなくて済み、ストックが増えません。
さらに節約にもなります。
災害に備えて、ストックは食べながら買い足す
わが家では、東日本大震災を体験したこともあり、普段から少し多めにストックをしておいて、食べながら買い足す「ローリングストック」という方法を実践しています。
使った分を補充するので、ストックが増えることはありません。
災害用として別に収納しておくと、滅多に見なくなり、賞味期限を切らしてしまいがちです。
コロナウィルスの自粛期間中でも実感しましたが、非常時には食べ慣れているものが安心感を与えてくれるので、ローリングストック法はおすすめです。
わが家は、引き出し1段をストック用にして、100円ショップのケースで仕切って立てて収納。
引き出しを開けると全体が見えるので、使い忘れがありません。
賞味期限が近い食品は手前に入れ、早めに食べ切ります。
この引き出しに入る分だけと決めているので、なくなったら補充するようにしています。
よけいなものを買わなくなり、節約にもなっています。
粉ものは賞味期限内でも早めに使う
また、保管で気をつけていただきたいのは、一度封を開けた粉ものです。
メーカーのホームページを参考にすると、天ぷら粉、唐揚げ粉、ホットケーキミックスなどは開封後、害虫に被害があるので口をしっかり締めて、冷蔵庫で保管。
小麦粉や片栗粉は、冷蔵庫ではなく密閉容器に入れた常温保管をすすめています。
冷蔵庫に入れると、他の食品のニオイが移ったり、結露によるカビの心配があるようです。
私は、どうしても害虫が気になるので、小麦粉や片栗粉は冷蔵庫に保管しています。
その際、ニオイ移りやカビを予防するために密閉容器に入れています。
粉ものだけでなく、乾麺にも害虫が発生することがあるようなので、見やすい収納にし、早めに使い切ることを心がけたいですね。
【次回】捨てる基準は「ニオイとフタ」。保存容器何個もってますか?/ハンカチは5枚あればいい
「玄関」「クローゼット」「キッチン」など6つのスペース別片付け術はわかりやすくで始めやすい! 「ハンカチは5枚」の理由もわかります