片付けの最大のメリットは「エネルギーの無駄な消費」を減らせること/フランス流片づけ

pixta_37785875_S.jpg部屋を整理整頓するために、ネットや雑誌で知った「収納用品」をたくさん買ってきて意気揚々!やる気に満ちて片付けをし始めたのに、終わってみたら結局レイアウトが変わっただけ、なんて経験ありませんか?

本書『モノを元に戻す技術』では、ベストセラーとなった『シンプルに生きる』の著者であるフランス人作家が、実際に日々行っている「片付け術」を惜しみなく紹介。「どうしたらスッキリ片付いた毎日を送れるのか?」迷える子羊を救う、片付け術の全てを伝授します!

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前の記事「頻度、見た目、手に取りやすさ...片付けで知っておきたい5つのポイント/フランス流片づけ(2)」はこちら。

 

片づけはエネルギーの節約


心を和ませ、
あらゆる心配ごとや不安から心を解放する技術は、
おそらく偉人たちの活力の秘訣の一つだろう。
J・A・ハドフィールド


たくさんの人が、毎日「時間がない」と愚痴をこぼします。そうした人たちは、部屋が散らかっていることが疲れや不満の原因の一つであることに気づいていないのです。さらに、その乱雑さが自分たちに、日に何十回も知らず知らずのうちに次のような有毒なメッセージを発していることもわかっていません。

「君には片づけをする時間も気力もなかったよ。君の人生は忙しく、いつもやっつけ仕事をしているから、手に負えなくなっているんだよ。コントロールすることなんてできっこないよ」と。

片づけをすると、最初は気力や努力が必要だとしても、その後、軽やかにのんびりと生きることができ、結局は怠けて過ごすことができるのです。罪悪感を抱くことのない怠惰は心地よく、「バッテリーを充電する」ことができるのです。

散らかった空間で暮らしているといつも何かを探さなければならず、そのたびに、東洋の概念では時に「生きるために必要なエネルギー」とも言われる自分の「気」を少しずつ吸いとられるのです。それは時間のむだであり、お金のむだでもあります。すでに持っていることを忘れてモノをだぶって買ってしまったり、請求書をなくしてしまって支払うのを忘れたり、冷蔵庫がいっぱいで手の届きづらい奥の方に食品を追いやってしまい、結局、食材を腐らせてしまったりするからです。整理整頓にはたしかな価値があるのです!

 

片づいた部屋にいると、よりバランスのとれた、ゆったりとした暮らしを楽しめる


私たちの社会は、あらゆる方法で欲求をかき立て、
望んだり消費したりすることは
生きることと同じだというほどまでに欲望を喚起する。
エリック・サブレ『Sagesse libertaire taoiste(道教の絶対自由主義の英知)』(未邦訳)


すべてのものが定位置にあり、部屋のさまざまな部分が仕事エリア、休息エリア、料理エリア、日曜大工エリアなどと巧みに分かれているとき、暮らしはバランスがとれているようです。そうした環境では、「時間を節約する」ためにいくつかのことを同時に行うことがなくなります。どれだけの人がテレビを見ながら料理をしたり、来客とおしゃべりをしながら食器を洗ったり、羊のもも肉を煮込みながら家計簿をつけたりしているでしょう?

こうした活動の一つひとつは、本当はそれだけのためになされるべきです。

現代の科学技術のせいで、私たちはていねいに生きること、つまり何をなすにもそれぞれ一つに集中することを忘れてしまっています。非常に住みやすいのにどんどん珍しくなってきた伝統的な家(料理をするためのキッチン、食べるためのダイニング、眠るための寝室、くつろぐためのリビング)に住んでいる人にはわかると思いますが、このような場所で本来すべきことだけをやれば、心はゆったりとし、生きるエネルギーが湧いてきます。今日、ゆったりとした「一見、むだな」、しかしとても大切な時間を自分たちの精神的安定のために割くことがほとんどないのは残念なことです。

 

片づけで日々がより楽になり、それが儀式になる


優柔不断は結局何にもならない。
格言


私たちの行動を妨げるのは疲労です。モノが山積みで散らかった部屋に住んでいると、マニキュアが剥がれているのに気づいたらすぐに除光液とコットンを探しに行ったり、バースデーカードを見つけるために引き出しをあさったりするといった日常のささいなことが、どれもうんざりすることのように感じられます。

反対に、今必要なモノを即座に見つけられるのはうれしいものです。すると部屋を片づけることが習慣化し、いわばそれは「儀式」のようになっていきます。そしてこの儀式がどれほど暮らしを楽にしてくれるか、私たちは知っているのです!

何をいつどこでどうやってするかをいつも考える不安な生活に終止符を打つ儀式は、暮らしをより軽やかに、より執着なく、より自由にしてくれます。儀式はまた、自分に自信を持つことにもつながります。儀式を実行に移すことで、私たちは自分がより「自分らしい」と感じ、気分がよくなります。それが喜びであれ義務であれ、儀式は私たちのために最良の形に部屋を整えてくれるので、自分自身やあらゆるものから自由になるのです。儀式のおかげで私たちは、誇りと個性を持って、いわばよりよく生きることができるのです。

 

次の記事「時間は節約され、浪費も減る。 片付けは人生の質を高めてくれます/フランス流片づけ(4)」はこちら。

 


ドミニック・ローホー

著述家。フランスに生まれる。ソルボンヌ大学で修士号を取得し、イギリスのソールズベリーグラマースクール、アメリカのミズーリ州立大学、日本の仏教系大学で教鞭をとる。アメリカと日本でヨガを学び、禅の修行や墨絵の習得などをとおし、日本の精神文化への理解を深めてきた。フランスはもとより日本を含む全世界で著書がベストセラーになっている。『ゆたかな人生が始まる シンプルリスト』『マイバッグ』(以上、講談社)、『シンプルに暮らす』(KADOKAWA)ほか。


『モノを元に戻す技術』

ドミニック・ローホー/KADOKAWA)

ネットや雑誌、口コミまで様々な情報に振り回されて、整理整頓に労を費やす人が多い日本。本書にはベストセラーとなった『シンプルに生きる』の著者が実践している、フランス流片付けの極意が凝縮されています。今日からできる「豊かに生きるため」の片付け具体策が満載の、本当に使える「片付けノウハウ」本です。

この記事は書籍『モノを元に戻す技術』からの抜粋です
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