やるべきことが目の前にあったら、まずは「快楽を捨てる」ことから!/すぐやる人になる100の方法

あなたは「なりたい自分」になるためにやろうと決めたことを、ついつい「先送り」にしていませんか?仕事、勉強、ダイエットに部屋の片づけ。いざやろうと思っても続かなかったタスク処理が、心理学的な分析からのアプローチを使えばびっくりするくらい簡単に進んでいきます!「ハック」ブームの火付け役となった著者による、行動力アップのための「最強解説」があなた自身を「やりぬく人」へとアップデートしてくれるはず!

※この記事は『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』(KADOKAWA)(佐々木 正悟/KADOKAWA)からの抜粋です。

 

やるべきことが目の前にあったら、まずは「快楽を捨てる」ことから!/すぐやる人になる100の方法 pixta_2482019_S.jpg前の記事「まずは行動を。未来の自分に期待せず、優先度をつける前に朝一でやる!/すぐやる人になる100の方法(1)」はこちら。

 

方法03 現状を手放す

「何かを始めることができない」という心理の裏には、「いまやっていることをやめて後悔したくない」という心理が働いています。「現状を維持したい」という気持ちが強いのです。これは「所有意識」と似ています。

 

○ マグカップの売値は買値より高い

「マグカップの売値は、つねに買値より高い」という実験結果があります。「500円で買ったマグカップは少なくとも1000円以上でしか売りたくない」などという心理が働くのです。

自分の所有物は、お店にあるものとはわけが違います。自分のものには愛着があります。だから手放すのには「心理的な苦痛」がともなうのです。

オークションの値がつり上がっていくのも、こうした心理的な背景があります。特にオークションの最後のほうでは、激しい競り合いが起こります。あれは、競り合っている人たちにとって、その品が「ほぼ自分のものになっている」状態だからです。

ほぼ自分の所有物になっているものを手放すことはとてもつらいことなのです。だからどうしても手に入れたい。結果として、どんどん値段が上がっていきます。

 

○ 「快適な現在」を手放したくない

人は、すでに持っているものを失いたくない。これは「状況」にも同じことがいえます。現在の「心地よい状況」を失いたくない、ということです。「もしかしたら現在の状況よりも悪くなるかもしれない」から、新しいことを始められないのです。

たとえば、いまソファに座ってテレビを見ている。そして、明日までに仕上げなければいけない仕事がある。早くソファから立ち上がって机に向かわなければいけないのに、動けない。こんな体験はないでしょうか。
「いい気持ち」はすでに手に入れている。それを手放して、苦痛をもたらすであろう「やるべきこと」をなぜしなければいけないんだ! こういう心理状態では、たしかにいつまでたってもテレビから離れられないでしょう。

ダイエットができない、貯金ができない、というのもこの心理です。ダイエットをすれば少なからず苦痛をともないます。食べたいものを我慢したり、運動をしなければいけない。いまは、たしかにちょっと太ってはいるけれども「心地よい状態」にいます。その現状を失いたくない。だから、すぐやれないのです。

この現状を脱するためには、一気に変えようとしてはいけません。一気に変えようとすると反動がきます。まず、目の前の「快楽を捨てる」ということに注力してみてください。

やるべきことが目の前にあったら、まずは「快楽を捨てる」ことから!/すぐやる人になる100の方法 p043.jpg

 

方法04 快楽を捨てる

何かを始めるためには「いまやっていることをやめ」て「新たなことを始め」なくてはいけません。

テレビを見ている状態から、仕事をしようと思ったら「テレビを切る」「仕事を始める」という行動を取らなければいけないのです。

多くの人は、この2つをいっぺんにやろうとします。しかし、2つのことにいっぺんに取り組むのは、ハードルが高すぎます。だからなかなか動けないのです。
「快楽を捨てること」と「苦痛を選択する」という2つのことを一度にやろうとしてはダメです。

まず「快楽を捨てる」ことだけに、全神経を集中させましょう。
テレビのスイッチを切る。そして、そのあとのことは考えない。「仕事をするためにまずテレビを切る」のではなく、「テレビを切る」ことに集中することがポイントです。あとのことを考えてはいけません。

まずは「いまの快楽を捨てること」に集中しましょう。

 

○ 嫌な未来を想像しない

人は基本的になまけものです。不快なこと、大変なことはなるべく避けたい生き物です。だから、これからすることが「不快」「大変」だとますます動けなくなってしまいます。

これからやらなければいけないことに思いをはせて、動けなくなってしまってはいけません。「あれもしなきゃ」「これもしなきゃ」「あれの次はこれも待ってる......」などと悲観的になってしまうと、どんどん動けなくなります。

まず、いまの快楽から抜け出すこと。いったんニュートラルになることが大切なのです。

 

次の記事「現状を把握して「先読み」すれば、いまやるべきことが見えてくる/すぐやる人になる100の方法(3)」はこちら。

 

 

佐々木 正悟(ささき しょうご)

心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。専門は認知心理学。
1973年、北海道旭川市生まれ。1997年、獨協大学を卒業後、ドコモサービスで働く。
2001年、アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後の2004年、ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年、帰国。帰国後は「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行っている。著書は、『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』(KADOKAWA)、『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』(KADOKAWA)、ベストセラーとなったハックシリーズなど多数。


cover.jpg

『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』

(佐々木 正悟/KADOKAWA)

何をするにも「すぐやる人」と「腰が重い人」っていますよね。あなたはどちらでしょうか?仕事、勉強、トレーニングにスポーツ、ダイエットなど、私たちは自分自身がもつ「目標」のために日々何らかのタスクリストを作っています。しかし、なぜか「やりぬくことができない」と悩む人に知ってほしいのが、心理学的な分析に基づいた「行動理論」。「すぐやる人」「やりぬく人」になれる100の方法が、イラスト図解で端的にわかりやすく紹介されています!タスクに追われて溺れがちな現代人におくる、「すぐやれる自分」にアップデートするための最強取説です!

この記事は書籍『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』からの抜粋です
PAGE TOP