イチロー選手は試合前「脳のストレッチ」をしている⁉ 脳を覚醒させる習慣を身に付けよう/脳ストレッチ

気分が浮かない、やる気がでない、自信が持てない......こんな自分を変えたい!と思っているのに変えられないあなた。もし「目を動かすだけ」「手を動かすだけ」であなたの脳が「できる脳」へと覚醒することができたら嬉しいと思いませんか?

自分で「イヤだ」と思い込んでいるあなたの性格は、「脳を動かすこと」で変えられるかもしれません。脳科学の第一人者が教える、ラクに自分を好きになれる、そして今からできる簡単な脳覚醒法を伝授します!

※この記事は『イヤな自分を1日で変える脳ストレッチ』(加藤 俊徳/KADOKAWA)からの抜粋です。

 

イチロー選手は試合前「脳のストレッチ」をしている⁉ 脳を覚醒させる習慣を身に付けよう/脳ストレッチ pixta_42937492_S.jpg前の記事「「楷書で写経」が脳に効く。 手を動かせば思考と視覚が同時に覚醒する/イヤな自分を変える脳ストレッチ(2)」はこちら。

 

朝の過ごし方で、悩みから解放される!

ここでは、朝から脳を活発にするための具体的な方法について述べていきたいと思います。

まず、最初に行ってほしいのが、脳を覚醒させる習慣づくりです。

極めて基本的なことですが、脳を覚醒させるには、毎朝、決まった時間に起きて、太陽光線を浴びることです。脳は自然の光に刺激されて、一気に覚醒していきます。寝ぼけたままの状態でいくら頭を働かそうとしても、脳は動き出してくれません。

私の実家は、朝起きて窓を開ければ、日本海が目の前に広がり、佐渡の山々も見えるようなところにあります。そこから見える日本海の表情は、日々、様変わりします。

若いころはまったく気が付きませんでしたが、今振り返れば、朝起きて海をじっくり見ることで、私は毎日、知らず知らずのうちに脳にスイッチを入れていたのです。実は、脳の覚醒をとても上手に行っている日本人がいます。それは、大リーグで活躍するイチロー選手です。

彼の行動パターンを見ていると、脳を覚醒させるために常にいい動きをしているなといつも感じます。

たとえば、イチロー選手が試合前に長い時間を割いて丹念に行うストレッチ運動ですが、これは実に脳に効果的であると言っていいでしょう。ストレッチをすることにより、野球のプレー中に使わない筋肉を刺激し、動きが鈍くなっている脳の領域を覚醒させているのです。こうやって脳全体を覚醒させていき、それによって体が敏感に反応できるようにコンディションを整えています。

イチロー選手のストレッチ運動を見ていると、私はいつも、「脳のストレッチをしているな」と思ってしまうのです。

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寝ぼけた状態で勉強や仕事をしても、脳が覚醒していなければ、なかなかはかどらないはずです。ですから、仕事の効率を上げたいのであれば、まずは覚醒を上げることから始めましょう。そうすることで、自然と仕事に対する悩みをなくしていくことができるのです。

もっと覚醒させたい場合は、朝起きてすぐに太陽光線を浴びてもいいですが、軽い筋トレやジョギングをしてみてください。これをすることにより、効果はさらに上がります。

私の会社では、みんなの覚醒を高めるために、始業時間になるとラジオ体操をしています。朝から身体に刺激を与えることで脳が覚醒し、1日の動きを機敏にさせることができるのです。

やはり人間は地球に住む動物ですから、地球の動きに合わせて生活することが無理のない生き方となります。したがって、夜は寝て、朝起きるという生活パターンを繰り返すことが、脳に負担を与えず、最大限の力を発揮させることにつながるのです。

ところで、やる気という言葉がありますが、やる気とは実は「脳の覚醒」のことを意味します。脳の覚醒が上がり、前向きな思考になったとき、人はやる気を感じるのです。

やる気は、人にとってあらゆる行動の原動力となります。子どもの教育にも、このやる気を活用するといいでしょう。

自分の子どもに、単に「勉強しなさい!」と言っても、なかなか言うことを聞いてくれないかもしれません。そんなときは、少し遊んであげて脳の覚醒を上げるのです。さらには、オセロやトランプをして、子どもに勝たせてあげます。すると、子どもの覚醒はますます高まり、不思議なくらい親の言うことを聞くようになるはずです。

子どもだけでなく、夫婦の間でもお互いの覚醒を上げていくことで相手の言うことに耳を傾けるようになり、夫婦喧嘩や口論を避けられるようになります。

家庭でのケンカの例としては、たとえば仕事帰りの夫と専業主婦の妻の家庭で、夫の帰宅後にケンカが始まるケースがありますね。これは、仕事で疲れ切って覚醒の低い状態で帰宅した夫に対し、エネルギーをためて覚醒の高い状態の妻が不満をぶつけるといったパターンが多いのではないかと思います。覚醒レベルが違う者同士が向き合うと、どうしてもズレが生じやすくなります。こういう状態で口論をすると、夫婦の関係はかなり悪化してしまうでしょう。相手との関係を良好なものにするには、相手を気づかい、覚醒を上げた状態でコミュニケーションを図るようにすることが重要なのです。

脳の覚醒を促すためには、十分な睡眠を取るように心がけましょう。脳というのは、十分な休息を取った後に覚醒します。一気に覚醒を上げることができる人は、上手に休息を取れる人でもあるのです。深いオフに入れる人が、質のいいオンの状態に入ることができるということを覚えておいてください。

 

次の記事「朝日を浴びる、逆の手で歯磨き、散歩。朝の3習慣であなたの脳を覚醒させろ!/イヤな自分を変える脳ストレッチ(4)」はこちら。

 

 

加藤 俊徳(かとう としのり)

新潟県生まれ。医学博士。加藤プラチナクリニック院長。昭和大学客員教授、株式会社「脳の学校」代表。14歳のときに「脳を鍛える方法」を知るために医学部への進学を決意する。

1991年、脳活動計測「fNIRS法」を発見。現在、世界700カ所以上で脳研究に使用され、新東名高速走行中の脳活動計測にも成功。1995年から2001年まで米国ミネソタ大学放射線科MRI研究センターでアルツハイマー病や脳画像の研究に従事。帰国後、慶應義塾大学、東京大学などで、脳の研究に従事。胎児から超高齢者まで1万人以上のMRI脳画像とともにその人の生き方を分析。2006年、株式会社「脳の学校」を創業。2013年、加藤プラチナクリニックを開設。ビジネス脳力診断、発達障害や認知症などの予防脳医療を実践。著書に『イヤな自分を1日で変える脳ストレッチ』(KADOKAWA)などがある。


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『イヤな自分を1日で変える脳ストレッチ』

(加藤 俊徳/KADOKAWA)

あなたが「ニガテ」と感じていることは、本当に「ニガテ」なのでしょうか?思い通りにならずイライラしたり、自信を失くしたり、他人をうまくコミュニケーションが取れなかったり……そんな悩みの原因はあなたの「脳の使い方」かもしれません。自らの「暗黒時代」を引き合いにしつつ、脳を覚醒し簡単に悩みを軽減する方法を、脳科学者である著者が惜しげもなく伝授!「イヤな自分」が今日から変わる!悩める現代人のための脳ストレッチ教本です。

 

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この記事は『イヤな自分を1日で変える脳ストレッチ』からの抜粋です
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