あなたは「なりたい自分」になるためにやろうと決めたことを、ついつい「先送り」にしていませんか?仕事、勉強、ダイエットに部屋の片づけ。いざやろうと思っても続かなかったタスク処理が、心理学的な分析からのアプローチを使えばびっくりするくらい簡単に進んでいきます!「ハック」ブームの火付け役となった著者による、行動力アップのための「最強解説」があなた自身を「やりぬく人」へとアップデートしてくれるはず!
※この記事は『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』(KADOKAWA)(佐々木 正悟/KADOKAWA)からの抜粋です。
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「誘導タスク」を設定する
すぐやれないのであれば、嫌でもすぐやる状況をつくってしまうのも手です。
まず「誘導タスクを設定する」という方法が考えられます。
たとえば、部屋の片づけがすぐやれない、としましょう。
会社から部屋に戻ってもすぐテレビをつけてしまい、なかなか部屋の片づけができない。そんなときは、朝、部屋を出る前に、片づいていない荷物の山を、玄関に置いてから、出て行くのです。
こうしておけば、次に部屋に戻ってきたときは、嫌でも少しは片づける必要が出てくるでしょう。少しは片づけないと、部屋に入ることすらできないからです。
そうやって「少しの片づけ」をしてみると、その「勢い」で、部屋の片づけ、掃除を始められるかもしれません。
このように、「最初の一歩」を踏み出すための作業を「誘導タスク」といいます。そして、自分がやりにくいと思う作業には、「誘導タスク」を仕掛けられないか、工夫してみるといいでしょう。
やるべき作業に導いてくれる「誘導タスク」を使って「すぐやる人」への道を切り開いてください。
モノをため込まない
「パックラット」という言葉を知っていますか?
アメリカでは「モノをため込んで捨てられない人」のことを皮肉って「パックラット」と呼ぶそうです。
これは、嫌な思いをしたことの多いネズミ、トラウマのあるネズミほど、モノを取っておく傾向にある、というある実験結果から来ている言葉です。
もともとネズミは、モノを取っておく習性があります。この習性は哺乳(ほにゅう)類の進化の過程によって培われたものです。エサを保存しておくことができれば、餓死するリスクを減らすことができるからです。
嫌な思い(空腹に苦しんだ、など)をしたことの多いネズミはモノを取っておく傾向がとても強くなります。それは「また嫌な思いをするのではないか」という恐怖感がそうさせているのでしょう。
「取っておく」というのは生きるための知恵です。ほとんどの生物は人間のように保存する技術を持っていません。だから、その場で腹いっぱいになるまで食うということしかできません。今度いつ食べられるかわからないから、自分の腹に取っておくことしかできないのです。
何でもとりあえず取っておきたくなるのは「進化した成果」といっていいでしょうが、人間にとってこの習性は現代ではうまく機能しなくなっています。
「モノあまり」の時代に、何でも取っておくと、それをあとから役立てられる機会はなかなか得られず、ゴミやノイズに囲まれた暮らしが始まってしまいます。
○ すぐやる人はモノが少ない
現代において「仕事の速い人」というのは、効果的に所有物を減らせる人であり、的確な基準を持ってモノを捨てることのできる人です。
モノの多すぎる時代なので「保存すること」の価値は低くなっています。分け隔てなく何でも取っておく人には逆に不利な時代なのです。
これは「すぐやる」ことと深く関係しています。すぐやれない、というのは、すべきことを選択できていない、ということです。
モノがまわりにあふれかえっている人は、「選ぶ」ということが苦手なため、モノの前で右往左往してしまいます。身のまわりのモノを減らし「パックラット」を抜け出すことから始めてみましょう。
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