大きな夢は分解して「現実の作業化」すれば道は拓けます/すぐやる人になる100の方法

あなたは「なりたい自分」になるためにやろうと決めたことを、ついつい「先送り」にしていませんか?仕事、勉強、ダイエットに部屋の片づけ。いざやろうと思っても続かなかったタスク処理が、心理学的な分析からのアプローチを使えばびっくりするくらい簡単に進んでいきます!「ハック」ブームの火付け役となった著者による、行動力アップのための「最強解説」があなた自身を「やりぬく人」へとアップデートしてくれるはず!

※この記事は『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』(KADOKAWA)(佐々木 正悟/KADOKAWA)からの抜粋です。

前の記事「細かい作業をパッキングしない。 「すぐできる」まで分解しましょう/すぐやる人になる100の方法(4)」はこちら。

 

大きすぎる夢を抱かない

こんな話を聞いたことはありますか?

教会の建設現場でレンガを積んでいる2人の男に「あなたは何をしているのか」と聞いた。
Aさんは「レンガを積んでいる」と答えた。
Bさんは「教会をつくっている」と答えた。

一般的には、この話のオチは「Bさんのほうが目的を持って仕事をしているので偉い」ということになります。
しかし私は、Bさんは手が止まってしまう危険性が高いと思っています。
Bさんは、目的意識を持って仕事をしています。
しかし、目的意識が強くなりすぎると、目の前の地味な作業が手につかなくなることがあるのです。もちろん「やりがい」を持つことはいいことです。ただ、ゴールばかりに注目するタイプの人は、目の前の仕事を先送りしてしまう傾向にあります。

心理学者の中にはこのタイプを「夢想的グズ人間」と呼ぶ人もいます。このタイプはイマジネーションの世界にエネルギーを注ぎすぎるのです。

たとえば「ブログをつくる」という「ゴール」を考えてみましょう。夢想家タイプの人は「最初の一文字から書く」という現実をあまり意識しません。
夢想家の人がイメージするブログというのは、たくさんの記事がすでにあって、多くのアクセスが当然のようにあって、たくさんのコメントがあふれている、というようなものなのです。

しかし、実際にブログを始めてみると、そこにはまっさらなページにポツンとひとつ記事があるだけ、という状況がやってきます。夢想した華やかで楽しそうなイメージとはずいぶん違います。夢想家はそのギャップにショックを受けるのです。

 

○ 大きすぎる夢と地味な作業のギャップに負けない

目的を実現するには、実行可能な作業にまで落とし込まないと、動けなくなります。教会をつくろうとしている人だって、結局は目の前のひとつのレンガを積むところから始めないといけません。華やかさとはほど遠い、そうした地道な作業が、大きな達成の前には相当の量あるのですが、ここをイメージすることが夢想家タイプには難しいのです。

何かやりたいことを夢見たり、やるべきことを楽しくイメージしたりするのは悪くはありません。ただ、それを実現するために、まずどんなふうに「体を動かすことができるのか」を考えてみましょう。月に100万アクセスを誇るブログだって、最初は指先のキータッチから始まるのですから。

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夢を紙に書いて満足しない

紙に書くと夢がかなう、という話はよく聞きます。
目標を明確にして、それをつねに意識することで、モチベーションを高めるのは、悪いやり方ではありません。

しかし、明確にした目標のおかげで、いつでもモチベーションが高まるかといえば、そういうわけでもないのです。

1月1日に立てた目標は、1月1日にはワクワクできても、1月2日になると、それほどでもなくなるということがよくあります。

何度もいいますが、ゴールのイメージと実際の作業にはかなりのギャップがあります。ゴールは華やかでも、実作業は地味なもの。ゴールが華やかで大きいものであればあるほど、地味な実作業の量も増えるのです。

 

○ パッキングされた「夢」を分解して「現実化」する

夢を紙に書く、という段階は「パッキング」の段階です。「起業して成功する」という夢は、まだ「パック」された状態なのです。

これをきちんと分解して「現実化」していかねばなりません。起業して成功するためには、かなり多くのことをする必要があります。資金を集める、ビジネスモデルを確立する、見込み客を集める、役所に提出する資料を作成する、などです。もしくは、起業のために何をしていいかすらわからない人は、起業に関する本を買ってきて読む、というところから始めるべきかもしれません。

とにかく、夢をできるだけ分解していくことです。そうすれば、おのずとすぐやることが明らかになるはずです。

夢を紙に書いただけで満足していては何もしていないことと同じなのです。

 

次の記事「モノを捨てられないのはネズミと同じ⁉ 誘導タスクで1つずつ処理していこう/すぐやる人になる100の方法(6)」はこちら。

 

 

佐々木 正悟(ささき しょうご)

心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。専門は認知心理学。
1973年、北海道旭川市生まれ。1997年、獨協大学を卒業後、ドコモサービスで働く。
2001年、アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後の2004年、ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年、帰国。帰国後は「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行っている。著書は、『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』(KADOKAWA)、『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』(KADOKAWA)、ベストセラーとなったハックシリーズなど多数。


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『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』

(佐々木 正悟/KADOKAWA)

何をするにも「すぐやる人」と「腰が重い人」っていますよね。あなたはどちらでしょうか?仕事、勉強、トレーニングにスポーツ、ダイエットなど、私たちは自分自身がもつ「目標」のために日々何らかのタスクリストを作っています。しかし、なぜか「やりぬくことができない」と悩む人に知ってほしいのが、心理学的な分析に基づいた「行動理論」。「すぐやる人」「やりぬく人」になれる100の方法が、イラスト図解で端的にわかりやすく紹介されています!タスクに追われて溺れがちな現代人におくる、「すぐやれる自分」にアップデートするための最強取説です!

この記事は書籍『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』からの抜粋です
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