10件のアポ成功より「100件電話する」ことが大切! 結果より数にフォーカスして成功率を上げよう/すぐやる人になる100の方法

あなたは「なりたい自分」になるためにやろうと決めたことを、ついつい「先送り」にしていませんか?仕事、勉強、ダイエットに部屋の片づけ。いざやろうと思っても続かなかったタスク処理が、心理学的な分析からのアプローチを使えばびっくりするくらい簡単に進んでいきます!「ハック」ブームの火付け役となった著者による、行動力アップのための「最強解説」があなた自身を「やりぬく人」へとアップデートしてくれるはず!

※この記事は『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』(KADOKAWA)(佐々木 正悟/KADOKAWA)からの抜粋です。

10件のアポ成功より「100件電話する」ことが大切! 結果より数にフォーカスして成功率を上げよう/すぐやる人になる100の方法 pixta_36986478_S.jpg前の記事「「すぐやれる」人は物が少ない! 誘導タスクで1つずつ処理していこう/すぐやる人になる100の方法(6)」はこちら。

 

結果を気にしない

たとえばテレアポが難なくできる人と、なかなかできない人の違いは何でしょうか?
テレアポが難なくできる人は、結果を気にしていません。結果ではなくて「数」に注目しています。「○件アポを取るぞ!」ではなく「○件電話するぞ!」という意識なのです。

どれだけ気をもんでも、アポの成功率はちょっとやそっとでは変わりません。「100件電話すればだいたい1件は取れる」ということであれば、100件電話をかけることを目標にすればいいのです。99件断られることはすでにわかっていることなのです。

また、100件に近づけば近づくほど成功確率は上がっていきます。だから、数に注目している人は楽しくなっていくのです。
テレアポがなかなか進まない人は「結果」を意識しているため「断られるのではないか」という不安が生まれます。だから仕事が苦痛でしかありません。断られる数をカウントして凹んでいてはダメ。そうではなくて「いくつ断られると取れる」くらいに考えればいいのです。

 

○ なかなか告白できない人の秘策

変な話ですが、これは恋愛にも使えるのではないでしょうか。
「ふられるんじゃないか」と思うから葛藤(かっとう)になるのであって、10人に告白するなら、10人と数を決めてしまえば確率は上がっていくはずです。

ナンパであっても「ひとりにさえ声をかけるのが嫌だ」という人が大半だと思いますが、「ひとりだから嫌」なのです。ひとりに声をかけるだけだと「うまくいくか、断られるか」という不安で仕方なくなります。

ナンパの達人はとにかく数をこなします。100人200人と声をかけるから「最初のひとり」なんて何ともないのです。むしろ断られれば断られるほど、次にうまくいく確率は上がっていくと考えています。

街でティッシュを配っている人だって、そんな葛藤で悩んでいるようには見えません。断られたからといって傷ついていては、あのような仕事はやっていられないでしょう。

筋トレだって、ダイエットだって、英語学習だって、すぐに効果が出るわけではありません。効果にフォーカスしてしまうと、すぐに挫折してしまいます。

そうではなくて「数」にフォーカスする。何キロやせる、ではなくて、何キロ走る。腹筋が割れるようにするではなくて、毎日100回腹筋運動をする。結果にこだわると次の一歩が出なくなる恐れがあるのです。

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リスクを減らす

かけなければいけない電話なのになかなか実行に移せない。そんなことはありませんか? 電話がおっくう。これはどういう心理なのでしょうか。

電話をして絶対に嫌な思いをしないとわかっていれば、すぐにできるはずです。でも多くの人は、失敗したり、嫌な思いをしたり、させたりしたことがあるでしょう。だから「今回もお互いに嫌な思いをするかもしれない」という予測があなたを引き止めてしまっているのです。

テレアポなど、向こうが断ってもいい状況の場合はなおさらです。嫌な思いをする可能性が高いと思っていると動けないのです。

その対策としては、まずリスクを減らすということがあげられます。
嫌な思いをお互いしないために、相手が都合のよさそうな時間帯を考える。もしくは、メールで伝達できないかを考える。また一方的なお願いではなく、相手のメリットも用意する、といった具合です。

電話をしたあとの自分のメリットの大きさを考えてみるのも効果的です。電話をしたらスッキリする、アポが取れる、などの電話後の楽しみを考えると電話しやすくなります。

 

○ 「ごほうび作戦」は難しい

作業後のメリットという話に関連して、このこともお伝えしておきます。
なかなか作業を始められないときに「ごほうび作戦」を取る人がいます。これが終わったら、お菓子を食べよう。これが終わったら好きなテレビ番組を見よう。目の前のニンジンを目当てに走ろう、というわけです。

しかし、実はこの「ごほうび作戦」はうまくいくことが少ないのです。なぜなら、そのごほうびは「仕事が終わらなくとも手に入る」ものだからです。
何かをやって、ごほうびをもらう、ということであれば、「何かをやる」ということと「ごほうび」が密接に関係していないと意味がないのです。

この仕事を終えたらお菓子を食べよう、と思ったとしても、実際は、仕事を終えなくてもお菓子は食べることができます。この作戦で仕事ができる人もいるでしょうが、これでは「弱い」のです。

お風呂が面倒な人が「お風呂に入ったらビールを飲む」。これはどうでしょうか? もちろんお風呂に入らなくてもビールは飲めます。しかし、お風呂に入らないと《《おいしい》》ビールは飲めません。お風呂に入ったあとでないとおいしいビールが飲めないということなので、行動とごほうびには密接な関係性があります。こうしたごほうびであれば、効果は高いでしょう。

作業後のメリットを考えるときは、作業後でしか味わえないメリットを想定するとうまくいきます。

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次の記事「「とりあえずやる」はダメ。作業の順番や段取りをハッキリさせてから取り掛かる/すぐやる人になる100の方法(8)」はこちら。

 

 

佐々木 正悟(ささき しょうご)

心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。専門は認知心理学。
1973年、北海道旭川市生まれ。1997年、獨協大学を卒業後、ドコモサービスで働く。
2001年、アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後の2004年、ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年、帰国。帰国後は「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行っている。著書は、『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』(KADOKAWA)、『仕事の渋滞は「心理学」で解決できる』(KADOKAWA)、ベストセラーとなったハックシリーズなど多数。


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『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』

(佐々木 正悟/KADOKAWA)

何をするにも「すぐやる人」と「腰が重い人」っていますよね。あなたはどちらでしょうか?仕事、勉強、トレーニングにスポーツ、ダイエットなど、私たちは自分自身がもつ「目標」のために日々何らかのタスクリストを作っています。しかし、なぜか「やりぬくことができない」と悩む人に知ってほしいのが、心理学的な分析に基づいた「行動理論」。「すぐやる人」「やりぬく人」になれる100の方法が、イラスト図解で端的にわかりやすく紹介されています!タスクに追われて溺れがちな現代人におくる、「すぐやれる自分」にアップデートするための最強取説です!

この記事は書籍『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』からの抜粋です
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