同じものを同じだけ食べても、太りやすい人とそうでない人、違いは「腸内細菌」!?【腸内細菌の新常識】

あるビフィズス菌が、花粉症の症状を緩和する

花粉症は、日本人の約3割がかかっているともいわれ、多くの人がくしゃみや鼻水、目のかゆみといった症状に悩まされています。花粉症はアレルギー疾患の一つで、ウイルスや細菌などの異物を排除するために働く免疫が、本来は反応する必要のない物質にも過剰に反応してしまうことで起こります。

免疫の役目を担う細胞が集まっている重要な免疫器官が腸です。そして免疫機能の発達・維持には腸内細菌が大きな役割を果たしています。人の腸内には1000種類以上、100兆個もの細菌が棲みついており、それぞれがテリトリーを保ちながら腸内フローラ(腸内細菌叢)を形成しています。この腸内フローラのバランスが乱れると免疫系のバランスも崩れ、アレルギー疾患を発症する要因になると考えられています。

ビフィズス菌には、免疫のバランスを調整する機能があります。なかでも「ビフィズス菌BB536」を用いて花粉症患者に対して試験を行ったところ、スギ花粉が飛び始める約1カ月前からビフィズス菌BB536を13週にわたって摂取したグループは、花粉症の自覚症状が緩和され、症状と関連する血中マーカーも改善されるという結果になりました。

このようなビフィズス菌の効能を得るには、口からビフィズス菌を摂ることが大事だといいます。食べ物として体内に入ったビフィズス菌は、小腸に集まっている免疫細胞に刺激を与えます。大腸にいるビフィズス菌は通常小腸に逆流することはないため、口から摂取して小腸を通過させることが重要だとか。花粉が気になる時期は、ビフィズス菌BB536の入ったヨーグルトを積極的に食べるとよさそうです。

 

監修:川嶋 朗(かわしま・あきら)
神奈川歯科大学大学院統合医療学講座特任教授
総合内科専門医・医学博士

1957年、東京生まれ。北海道大学医学部卒業後、東京女子医科大学入局。東京女子医科大学大学院、ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院、東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長、東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授・東洋医学研究所付属クリニック自然医療部門医師を経て現職に。日本初の高等教育機関による統合医療教育を設立。漢方をはじめとするさまざまな代替・伝統医療を取り入れ、西洋医学と統合した医療を手がけている。西洋医学の専門は腎臓病、膠原病、高血圧など。統合医療SDM クリニック院長。

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※本記事は川嶋朗 (監修)著の書籍『知らないと怖ろしいカラダの新常識100』(アチーブメント出版)から一部抜粋・編集しました。

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