死亡率最悪の脳塞栓症、睡眠中に起こる危険な脳梗塞...3種類の「脳梗塞」に注意しよう

『知らないと怖ろしいカラダの新常識100』 (川嶋朗:監修/アチーブメント出版)第1回【全5回】

さまざまなメディアを通して、健康情報に触れられる時代。けれど、ちまたに氾濫する情報の中には、真偽のほどが危ういものも少なくありません。

神奈川歯科大学大学院統合医療学講座・特任教授の川嶋朗先生が監修した1冊『知らないと怖ろしいカラダの新常識100』には、最新のエビデンスに基づいた、これまでの健康常識をアップデートする知識がいっぱい。
本書の中から、読者の関心が高い項目を抜粋してご紹介します。

※本記事は川嶋朗氏監修の書籍『知らないと怖ろしいカラダの新常識100』(アチーブメント出版)から一部抜粋・編集しました。


死亡率最悪の脳塞栓症、睡眠中に起こる危険な脳梗塞...3種類の「脳梗塞」に注意しよう karadashinjoushiki-eye1.jpg

小さな脳梗塞も油断は禁物! 夏場に血管が詰まる恐怖

一般的に「脳梗塞」という病名は広く知られていますが、同じ脳梗塞でもいくつかの種類があることをご存じでしょうか。その一つが、「ラクナ梗塞」です。

ラクナ梗塞は、脳の深い部分にできる比較的小さな脳梗塞のことです。脳の部位でいうと基底核や視床、脳幹などにできるもので、脳の太い血管から分岐している一般的に直径0.2~0.3mmほどの細い血管が詰まることで発生します。

細い血管ではあるものの、詰まると血流が流れなくなり、その先にある脳の組織が死んでしまうことでさまざまな障害が発生します。

ただ、梗塞の範囲が小さかったりする場合には無症状のケースもあって、無症候性脳梗塞(隠れ脳梗塞)と呼びます。でも実際に血管が詰まっていることは確かですから、無症状であったとしても決して安心はできません。最初の発症時の治療がうまくいっても、その後再発し、大きな脳梗塞に進展してしまうことも少なくないのです。

ラクナ梗塞の最も重要な原因は、高血圧です。高血圧が持続すると、細い血管が動脈硬化を起こして血管壁の肥大、血栓、血管壊死などが生じます。

ふつう脳梗塞は冬の寒い時期に発症しやすいイメージかもしれませんが、このラクナ梗塞は、とくに夏に起こりやすいという特徴があります。

夏は発汗などで体内の水分が少なくなり、血流が悪くなることで血管内に血栓ができやすくなってしまうのです。夏の水分補給は、ラクナ梗塞の予防を考えても重要なのです。

 

監修:川嶋 朗(かわしま・あきら)
神奈川歯科大学大学院統合医療学講座特任教授
総合内科専門医・医学博士

1957年、東京生まれ。北海道大学医学部卒業後、東京女子医科大学入局。東京女子医科大学大学院、ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院、東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック所長、東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授・東洋医学研究所付属クリニック自然医療部門医師を経て現職に。日本初の高等教育機関による統合医療教育を設立。漢方をはじめとするさまざまな代替・伝統医療を取り入れ、西洋医学と統合した医療を手がけている。西洋医学の専門は腎臓病、膠原病、高血圧など。統合医療SDM クリニック院長。

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※本記事は川嶋朗氏監修の書籍『知らないと怖ろしいカラダの新常識100』(アチーブメント出版)から一部抜粋・編集しました。

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