【本作を第1話から読む】体に付く脂肪は1種類じゃない!? 「内臓脂肪」が「皮下脂肪」より厄介な理由
『100歳まで元気でいたければ心臓力を鍛えなさい』 (大島一太/かんき出版)第6回【全8回】
心臓は私たちの身体に欠かせない臓器で、止まることなく働き続ける「命の泉」のような存在です。『100歳まで元気でいたければ心臓力を鍛えなさい』の著者で、心臓をテーマにした多くの著書を持つ循環器科医・大島一太さんによれば、長生きするには心臓の健康が不可欠であり、日々の生活を意識することが重要だそう。本稿では基本として覚えておきたいトピックを紹介します。
※本記事は大島一太著の書籍『100歳まで元気でいたければ心臓力を鍛えなさい』(かんき出版)から一部抜粋・編集しました。
どんな食べ物が問題か~飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸
塩分と同様、心臓力強化の強敵となるのが、コレステロールです。
すでにご存じのとおり、脂質の一種であるコレステロールが不必要に血中で増えると、血管の内壁に付着して動脈硬化を引き起こし、それが心筋梗塞や脳梗塞の原因となるからです。悪玉コレステロールがその主犯格であり、善玉コレステロールは余分な悪玉を減らす働きをしています。
じつは、それらのうち、約8割は食べ物からではなく、体内で合成されています。そこに大きく関わっているのが、脂肪酸です。
脂肪の主な成分である脂肪酸には、動物性の"脂"に多い「飽和脂肪酸」と、魚や植物性の"油"に多い「不飽和脂肪酸」があり、前者をとり過ぎると、必ずしもコレステロールを多く含む食品を食べなくても、体内で悪玉コレステロールを増加させてしまう――そのカラクリに注意しなければなりません。
かたや、不飽和脂肪酸には悪玉コレステロールを低下させる成分が多く含まれています。なかでも、「オメガ3系」といわれる脂肪酸は、心血管病のリスクを大きく下げることがわかっています。あとで詳しく説明します。
コレステロールを多く含むものといえば、肉の脂身やベーコン、魚卵(タラコ、イクラ)をはじめ、牛乳やバターなどの乳製品、レバーやモツなど。タマゴの黄身などはコレステロールのかたまりです。
コレステロールを多く含む食材は、同時に飽和脂肪酸も含んでいる場合が多いので、二重の意味で気をつけなければいけません。