薬に詳しい倉田なおみ先生が2023年10月、都内で講演。服薬時に飲み込みにくさを感じる人の2割超が「錠剤を砕いて飲む」との調査結果を受け、薬効や医療事故防止の観点から、「正しい服用」が大切と訴えました。
※この記事は月刊誌『毎日が発見』2024年1月号に掲載の情報です。
錠剤嚥下障害とは?
薬を飲み込むことが難しくなり、本来飲み込んで胃腸に運ばれる薬が、口やのど、食道に留まってしまうことで薬の効き目に影響を与えたり、誤嚥や窒息を引き起こす障害。
飲み込みにくさを感じている人のうち
不適切な飲み方をしている人は2割超
調査では、3カ月以内の服薬経験者のうち、薬などを飲むときに「飲み込みにくい」と感じている人は約3割。そのうち、2割超の人が「薬を砕いて飲む」「食事に混ぜる」「カプセルから出して飲む」など、不適切な飲み方をしていました。
薬やサプリメントを
飲み込みにくいと感じたことは?
「ある」と答えた人が、特に飲み込みにくさを感じるのは、「病院で処方された錠剤」で、「水の量が少ないとき」と「錠剤が大きいとき」。
※沢井製薬調べ。
錠剤を砕いて飲むと...
・薬が効き過ぎる
錠剤は適した場所で溶けることで薬効が得られます。砕くことで効き過ぎて副作用が生じ
ることも。
・効果が下がる
錠剤を砕くことで、狙いどおりに薬効を得ることができず、効果が下がってしまうこともあ
ります。
・危険な副作用
薬の成分がゆっくりと溶け出し、効果が長く続く「徐放性製剤」は砕くと短時間で効果が出て危険です。
徐放性製剤のイメージ
※薬によっては、外側が徐放部分、内側が速放部分のものもあります。