【本作を第1話から読む】体に付く脂肪は1種類じゃない!? 「内臓脂肪」が「皮下脂肪」より厄介な理由
『100歳まで元気でいたければ心臓力を鍛えなさい』 (大島一太/かんき出版)第5回【全8回】
心臓は私たちの身体に欠かせない臓器で、止まることなく働き続ける「命の泉」のような存在です。『100歳まで元気でいたければ心臓力を鍛えなさい』の著者で、心臓をテーマにした多くの著書を持つ循環器科医・大島一太さんによれば、長生きするには心臓の健康が不可欠であり、日々の生活を意識することが重要だそう。本稿では基本として覚えておきたいトピックを紹介します。
※本記事は大島一太著の書籍『100歳まで元気でいたければ心臓力を鍛えなさい』(かんき出版)から一部抜粋・編集しました。
心臓を直撃する食べ物とは?
「健康でいられるのか」「病気を患ってしまうのか」その分かれ道は、多くの場合が食べ物によると考えられます。もちろん、私たちが命をゆだねる3本の冠動脈も、毎日の食事次第で強くもなり、弱くもなります。本章では心臓にダイレクトに影響を与える食事について解説します。
まず、塩分のとり過ぎがカラダに悪いことはすでに知られています。特に、血圧を上げることは、これまで多くの研究から指摘されてきました。まさに、心臓にとって塩は、最強の「敵」と言ってもいい存在です。
いっぽうで、食塩(塩化ナトリウム)は人間のカラダに不可欠な成分でもあります。
問題は、その量、他の成分とのバランスです。
では実際、1日にどれくらいまでなら塩分を摂取してよいのでしょうか。
日本の成人にとって、1日の塩分摂取の目標値は、男性7.5g未満、女性6.5g未満です。高血圧の人はもっと厳しく、1日6g未満です。1日6g未満の減塩で血圧が下がり、脳心血管病をしっかり予防できることがわかっています。ちなみに、成人が1日に必要な塩分量は、わずか1.5gです(46)。
ところが現状、日本人は平均で11~12gもとっているので、目標は40%近くも減らさなければならない、ということです。
食塩7.5gというと、小さじ山盛り1杯分。「そんなに口にしていませんよ」と言いたくなるかもしれませんが、加工食品や外食の料理などには多く含まれていますし、1日で食べたものをまとめると、トータルでたくさんの塩分をとっていることに気がつきます。
外食メニューに含まれるおよその塩分量