過敏性肺炎のリスクあり。 加湿器の雑菌やクーラーなどのカビに注意【呼吸器内科の坂本先生が解説】

発症の仕組み

過敏性肺炎のリスクあり。 加湿器の雑菌やクーラーなどのカビに注意【呼吸器内科の坂本先生が解説】 2401_P070-071_02.jpg過敏性肺炎のリスクあり。 加湿器の雑菌やクーラーなどのカビに注意【呼吸器内科の坂本先生が解説】 2401_P070-071_03.jpg過敏性肺炎のリスクあり。 加湿器の雑菌やクーラーなどのカビに注意【呼吸器内科の坂本先生が解説】 2401_P070-071_04_W500.jpg過敏性肺炎のリスクあり。 加湿器の雑菌やクーラーなどのカビに注意【呼吸器内科の坂本先生が解説】 2401_P070-071_05.jpg

自宅で長時間過ごす
主婦が発症しやすい

同じ過敏性肺炎でも、夏型過敏性肺炎と加湿器肺炎ではアレルギーを起こす原因が異なります。

夏型過敏性肺炎は「トリコスポロン」というカビが原因です。

カビが繁殖しやすく、クーラーを使用する5〜6月頃から症状が出始め、10〜11月頃までに多く発症するといわれています。

「近年は、気密性の高い家屋が増えたため、一年中カビが繁殖しやすく、冬でも夏型過敏性肺炎になる人はいます」と、坂本先生。

一方の加湿器肺炎は、冬に多く使われる超音波式などの加湿器の水中に繁殖した雑菌を、肺に多く吸い込むことにより発症します。

加湿器肺炎と診断されれば、加湿器の使用をやめるだけで症状は改善します。

いずれも、特に自宅で比較的長時間を過ごすことが多い主婦が発症しやすいといえるそうです。

過敏性肺炎は、進行すると「間質性肺炎」を引き起こし、呼吸不全に陥る恐れがあります。

しかし、「本人が気付かないまま症状を長引かせて肺にダメージを与えていることも。また、病院ですぐに診断されない場合もあります」と、坂本先生は警鐘を鳴らしています。

せきやたん、発熱といった症状が続くため、せき止め薬を処方されたり、肺に炎症が見られることから一般的な肺炎と診断されることも多くあります。

抗生物質を処方されても治らず、大きな病院で受診してようやく過敏性肺炎と診断される場合もあるそうです。

長引くせきや発熱が気になったら、早めに呼吸器科などを受診することが大切です。

構成/岡田知子(BLOOM) 取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

東邦大学医療センター 大森病院  間質性肺炎センター長 呼吸器内科准教授
坂本 晋(さかもと・すすむ)先生

1997年、東京慈恵会医科大学卒。虎の門病院、東京慈恵会医科大学医学部呼吸器内科などを経て現職。びまん性肺疾患(間質性肺炎)の診断・治療・研究を行い、「加湿器肺に関する全国実態調査」の研究代表も務める。

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