【耳鼻咽喉科の松根先生が指南】熱いものや辛いものを食べると鼻水が止まらないのはどうして?

普段の生活の中で、急に鼻水がでてきたり、食事をすると鼻水が出てくることはありませんか? もしかすると「加齢性鼻炎」かもしれません。これは風邪やアレルギーでもなく、セルフケアで症状を改善できる可能性があります。今回は、耳鼻咽喉科の専門の松根先生にお聞きしました。

この記事は月刊誌『毎日が発見』2023年9月号に掲載の情報です。

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主な原因
・加齢に伴って鼻粘膜がしぼんで縮むこと(萎縮)

主な予防法
・1日2~3回の鼻洗浄
・足湯や全身入浴
・マスクの着用

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こんな特徴があります

・水のような無色透明でサラサラとした鼻水が出る
・突如として鼻水が出る
・食事のときに鼻水が出やすくなる(熱いものや辛いものを食べたとき)
・一年中続く
・くしゃみ、発熱、倦怠感、目のかゆみなど、風邪やアレルギーの症状は見られない


慢性的な鼻水に悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

上記の症状に思い当たった場合は、「加齢性鼻炎」かもしれません(老人性鼻漏(びろう)ともいいます)。

加齢に伴い弾力性のあった鼻の粘膜が萎縮し、機能が低下することによって発症します。

鼻には「においをかぐ」「呼吸をする」「異物が体内に入るのを防ぐ」ことの他、鼻粘膜の豊富な血流によって、呼吸の際に鼻を通過する空気の温度と湿度を適度に調節する役割があります。

加齢によって血管が細く硬くなると、血流が乏しくなり、弾力性のあった鼻の粘膜も萎縮してしまいます。

すると、鼻から吸った空気の温度を十分上げることができず、鼻腔の温度が下がります。

空気は肺などの下気道で温められ鼻に戻りますが、冷えた鼻腔を通過するときに、空気中の水分が結露した状態で鼻の粘膜上にたまります。

通常、鼻水は「線毛」という組織の動きで、鼻の奥でつながるのどへと押し流されます。

しかし加齢に伴い線毛の機能が衰え、また、このときの水分には粘性がないため線毛がうまく水分を捉えられず、だらだらと鼻の外に出てくるのです。

間違いやすい病気に、風邪や、花粉症などのアレルギー性鼻炎の他、副鼻腔炎(※)があります。

実際、医師側もいろいろ試した末に、「加齢性鼻炎」と診断することがほとんどです。

医師の間でも加齢性鼻炎に対する認識がまだ低いため、抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイドなどを漫然と処方されているケースが少なくありません。

また風邪や花粉症だと自己判断して市販薬を服用している人もいます。

長期間使用すると、鼻粘膜の萎縮がさらに進む薬もあるので、効果が見られない場合は使用をやめた方が良いでしょう。

鼻粘膜の萎縮を止める根本的な治療方法はありません。

鼻腔を温めるセルフケアで症状を和らげ、改善を図ります。

※鼻風邪(急性鼻炎)をこじらせ、鼻腔につながる副鼻腔に炎症が広がる病気。

 

<教えてくれた人>

日本医科大学 耳鼻咽喉科学教室教授
松根彰志(まつね・しょうじ)先生

1984年鹿児島大学医学部卒業、88年同大学博士課程修了。医学博士。米国ピッツバーグ大学留学、鹿児島大学大学院准教授などを経て、2011年より日本医科大学武蔵小杉病院耳鼻咽喉科部長。15年より現職。

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【月刊誌「毎日が発見」2023年9月号(2023年8月28日発行)の内容は?】

■痛みとこりに効く
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■ラインとインスタグラムでゆる~く始める
大人世代の「スマホ手習い」
■村上祥子さんの健康レシピ
発酵調味料 玉ねぎ麹
■つらい症状も後遺症も
帯状疱疹はワクチンで防げます
■折り畳んでぬって
スカーフのリメイク

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