生きる上で欠かせない「食」。何をどう食べるかで脳の寿命が変わることが、さまざまな研究により分かってきました。認知症にならず健康な脳を保つために、毎日の食生活を見直してみましょう。脳科学者で分子生物学者の西 剛志(にし・たけゆき)先生に「脳にやさしい食品の見分け方」を教えてもらいました。
【前回】脳にダメージを与える食生活とは? 食後の「血糖値の上昇がゆるやか」な食事が「脳寿命」を延ばす!
「血糖値スパイク」を起こさないためには、血糖値を急激に上昇させない、脳に優しい食べ物を選ぶことが必要です。
【低GIがイイ!】
テレビや雑誌で何かと話題になっている「GI (グリセミック・インデックス)値」。これは、食品に含まれる糖質が体に吸収される度合いを示したもので、数値が高ければ高いほど、血糖値を急激に高めるものになります。高GI(70以上のもの)を避け、低GI(55以下)の食品を摂ることで太り過ぎや糖尿病の発症リスクが下がり、脳を健康な状態に保てることが分かっています。
西先生が教える
低GI食品の3カ条
全ての食品のGI値を覚えるのは至難の業。
GI値を見極めるポイントを覚えて、メニュー作りに役立てましょう。
1.炭水化物は白より黒
炭水化物はそのほとんどが糖質ですが、白米より玄米、食パンよりライ麦パン、うどんよりそばのように、色の付いたものの方が血糖値の上昇がゆるやか。
2.甘過ぎるものはNG
甘さはそのほとんどがブドウ糖に起因していて、甘いものを食べると血糖値が急上昇します。砂糖を使ったお菓子や甘い果物は、糖を多く含んでいます。
3.食物繊維は多い方がいい
糖が含まれていても食物繊維が豊富な食べ物は、その分糖質が減り、血糖値の上昇がゆるやかになります。フルーツを食べる際は、スイカより柑橘類を。
おなじみ食品のGI値
※下記GI値は参考数値です。製法や調理法によって数値は変動します
※上記GI値は、The University of Sydney glycemicindex.com等を参考に作成しています。
肉、魚、海藻、きのこ、乳製品はほとんどが低GI 。
ただし、カロリーや脂質の摂り過ぎも病気の元になるので、適量を守りましょう。
取材・文/和栗 恵 撮影/米山典子 イラスト/カトウミナエ