キーワードは睡眠・ストレス・運動!「ヘルペス」再発防止の心得

「ヘルペス」とは、ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症の一種。いったん症状が改善しても、再発を繰り返しやすいのも特徴です。今回はそんなヘルペスの再発防止について、特に免疫力の低下の観点から、横浜市立大学附属市民総合医療センター皮膚科准教授の蒲原毅先生にお聞きしました。

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ヘルペスの再発は、免疫力が低下しているときに起こる

口唇や性器などに発生する単純ヘルペスにしろ、帯状疱疹にしろ、風邪やストレスなど何らかの原因によって免疫力が低下するとウイルスが活性化し、皮膚に症状が現れます。

「なぜ免疫力が低下すると、神経節に潜伏しているウイルスが活性化するのか、くわしいことは分かっていません。ただ、寄生先の人間が弱っていることを察知したウイルスが、新たな寄生先へと逃げ出すために、増殖して神経節を飛び出し、神経を経由して粘膜や皮膚に出てくるのではないかともいわれています」(蒲原先生)

口唇ヘルペスが別名「風邪の華」、「熱の華」と呼ばれるのも、風邪の熱が下がってきた頃にヘルペスの症状が出る......といったことが多いためです。

風邪、ストレスのほかにも、外傷や紫外線によって皮膚がダメージを負ったときにヘルペスが再発することがあります。また、皮膚のバリア機能が低下しているアトピー性皮膚炎の患者は、ヘルペスが重症化しやすい傾向があります。

つまり、ヘルペスの再発を防ぐためにもっとも効果的なのは、体の免疫力を上げること。季節の変わり目などに再発を繰り返す人は、次のポイントを見直してみてください。

 
●睡眠

睡眠が不足すると、免疫力は一気に低下します。

睡眠や休息をコントロールする副交感神経の働きが弱まることで、自律神経のバランスが乱れてしまうためです。また、眠っている間に分泌される「成長ホルモン」は、大人になっても細胞の修復や疲労回復などの重要な働きを担っています。短い睡眠では免疫力を維持するために必要なホルモンが不足し、回復しきれなかった疲労が蓄積してしまうのです。

眠りが浅く、睡眠の質が悪い場合も注意が必要です。浅い眠りでは脳が覚醒状態に近く、休息をうまく認識することができません。結果として疲労があまり回復せず、効率の悪い睡眠になってしまいます。

携帯電話やパソコン、スマートフォンなどの画面から出ている光は、脳を覚醒させて睡眠の質を低下させるため、少なくとも就寝の30分前には画面を閉じましょう。

アルコールも、睡眠の質を悪くします。寝酒として、就寝前にお酒を飲むことは避けましょう。眠る前の飲み物は、ホットミルクやハーブティーなど、ノンカフェインのホットドリンクがおすすめです。

 
●ストレス

強いストレスは、自律神経を乱れさせ、さまざまな不調の原因となります。仕事や受験などでストレスを抱えている場合は要注意。ヘルペスが再発してしまったら、自分は疲れているんだということを自覚して、きちんと休養をとりましょう。

通常、ヘルペスは発症から1週間程度で回復しますが、長期にわたって改善しない場合は、著しく免疫力が低下している可能性があります。より重大な病気を引き起こす前に、医師の診察を受けてください。

 

●運動

適度な運動は血行をよくし、体の調子を整えて、免疫力をアップさせます。運動不足の人や、高齢の人の場合、急に激しい運動をするとケガや故障の原因となるため、一日30分程度のウォーキングや、ラジオ体操などの軽い運動からはじめましょう。ただし、眠る直前の運動は体温を上げて寝つきを悪くしてしまうため、できるだけ朝や日中に済ませましょう。

 

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取材・文/高橋星羽(デコ)

 

 

<教えてくれた人>

蒲原 毅(かんばら・たけし)先生

1995年横浜市立大学医学部卒業。同附属市民総合医療センター皮膚科部長、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医。帯状疱疹や皮膚病全般の診断と治療が専門。

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