知っておきたい!「やってはいけない4つの血圧対策」とは?

放っておくと脳出血や脳梗塞、狭心症に心筋梗塞など、さまざまな病気リスクが高まる高血圧。シニア世代に多い高血圧を解消すべく、治療の第一人者であるミスター血圧こと渡辺尚彦先生が経験から導き出した降圧法をご紹介します。

無理なく苦労なく、薬に頼らずに血圧を下げることができるのです!

前の記事「5分の指圧で血圧を20mmHg下げる効果も!手のツボ「合谷(ごうこく)」のセルフ指圧を覚えよう(7)」はこちら。

 

NG-1 入浴とその前後に血圧は乱高下する

リラックス効果の高い入浴も、方法を誤ると危険がいっぱいです。42℃と熱めNOお風呂は日本人好みですが、血圧が急激に上昇し、入浴後に脱衣場で一気に血圧が低下して、血圧の乱高下を起こします。

血圧の急激な変化は血管に大きな負担となり、破れ(出血)、詰まり(梗塞)の原因となることも。血圧を乱高下させにくいお風呂の温度は39~41℃。肩まで湯船に浸かると水圧で心臓に負担がかかりやすくなるので、水位は胸ぐらいの高さで。

汗をかくと血液の粘り気が増すので、入浴前後にコップ一杯の常温の水を飲みましょう。冷た過ぎる水を飲むと、温まった心臓をびっくりさせて、血圧上昇の原因になるので気を付けて。知っておきたい!「やってはいけない4つの血圧対策」とは? 1902p032_01.jpg

 

NG-2 排便と排尿を我慢してはいけません

私たちの血圧を最も上昇させる行動が、排便と排尿です。特に我慢し過ぎることで、緊張状態が続き、交感神経が優位になって血圧が上がります。便秘や腸の調子が悪く、排便時に強くいきめば血圧は上がります。おなかが痛くて下痢気味のときにトイレを我慢してもその緊張感で血圧は上がります。排尿を我慢するのも、緊張感を高めるため血圧を上昇させます。

大切なのはトイレを我慢しないことです。あまり強くいきまなくても排便できるように体調を整えることが大切。水分や食物繊維を摂って、リラックスしてトイレに行くように、日頃から快便を心がけましょう。

排便、排尿後は急激に血圧が下がります。和式のトイレの場合、頭や心臓の位置が急に変化し、しゃがむことで下半身が圧迫されて、血圧が上がります。このようにトイレ内での体位の変化、室温の変化にも十分な注意が必要です。

 

NG-3 とても興奮したり激しい怒りは×

激しい怒りや初対面の人と会う緊張、人前で話すプレッシャー、遊園地に行って大興奮......など感情の起伏が起こることで体はストレスを感じます。それらのストレスはノルアドレナリンという交感神経の働きを高めるホルモンを分泌させて、血圧を上昇させます。

実はこのノルアドレナリンはどんどんエスカレートしやすい物質で、もっと強い興奮を体験してノルアドレナリンを分泌させたい......と思うようになるのです。そうなればなるほど血圧は上がり、血管を傷つけます。

これを止めるためには、激しい感情や興奮を避けて、静かに心を落ち着かせること。スリル満点のジェットコースターに乗る、ギャンブルをする、大食いしたり食べ放題に行く......などというストレス解消法は控えめにして、他に血圧を上げにくい方法を考えましょう。森林浴がてら緑のある場所を散歩するなど、心が鎮まるような楽しみ方があるといいですね。知っておきたい!「やってはいけない4つの血圧対策」とは? 1902p033_01.jpg

 

NG-4 深呼吸しても血圧が下がり続けることはない

「深呼吸は一時的に血圧を下げるために効果があり、実際に診察室に入ってくると緊張して血圧が上がってしまう『白衣高血圧』の患者さんに深呼吸を何度かしてもらうと、血圧はあっという間に下がります」(渡辺先生)

患者さんは大喜びで「じゃあ、深呼吸していれば血圧は下がるから薬は飲まなくていいですね?」などと言うそうですが、その効果は一時的で数分後には元に戻ってしまいます。深呼吸はあくまでも本来の血圧に戻す手段、つまり応急処置であって、根本的な高血圧治療の役には立ちません。それ以前に、一日中深呼吸をしていたら、仕事にも家事にも集中できません。

意外なようですが、簡単な1、2回の深呼吸では、血圧低下の効果が出ないのです。逆に深呼吸中に考え事をすると血圧は上昇しますから、一時的に血圧を下げるのであれば、何も考えずに息をゆっくりと吐いて深呼吸を15回程度行ってみましょう。

 

取材・文/宇山恵子 イラスト/内田尚子

 

 

<教えてくれた人>

渡辺尚彦(わたなベ・よしひこ)先生

聖光ヶ丘病院顧問、愛知医科大学病院客員教授、早稲田大学客員教授、日本歯科大学病院臨床教授。実父を高血圧で亡くしたことがきっかけで高血圧の治療・研究を志し、「ミスター血圧」の異名を持つ高血圧治療の名医となる。

この記事は『毎日が発見』2019年2月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「健康」のキーワード

PAGE TOP