失明の恐れも!くちびる以外にできる「ヘルペス」基礎知識

「ヘルペス」とは、ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症の一種。感染してしまったことのある人も多いのではないでしょうか? 今回は、重症化すると失明を招く恐れもある、という角膜にできるものなど、いわゆる「できやすい」場所以外に発生した単純ヘルペスについて、横浜市立大学附属市民総合医療センター皮膚科准教授の蒲原毅先生にお聞きしました。

pixta_28313791_S.jpg前の記事「20~30代に多い「性器ヘルペス」知っておきたい治療法/ヘルペス(6)」はこちら。

 

口唇と性器に発生することの多い単純ヘルペスですが、他に目、指、腕、脚などに現れるケースもあり、実際には発生する部位を特定することはできません。口唇や性器でないからヘルペスでない、と判断してしまうことは危険です。

特に目の角膜に発生するヘルペスは「角膜ヘルペス」と呼ばれ、かすみ目を引き起こし、重症化すると失明を招く恐れもあります。

角膜の表面に発症する「上皮型」と、中心部に発症する「実質型」の2種類がありますが、特に実質型は角膜を濁らせ、重症の場合は失明を招くこともあります。

再発であっても放置せず、必ず皮膚科や眼科で診察を受けましょう。治療には他の部位のヘルペス同様、軟膏などの塗り薬か内服薬を使用しますが、角膜の濁りがひどい場合には角膜移植をすることもあります。

 

痛みがひどくなりやすいのは、指先に発生するヘルペスです。

患部が赤く腫れて水疱ができ、ずきずきと痛みます。指先の小さな傷などからウイルスが入り込んだ場合に発症しやすく、歯科医や看護師など、医療関係者に多く見られます。

「よく使う部位にできるヘルペスなので水疱も破れやすいのですが、水疱内の液体はウイルスを含んでいるため、もし破れてしまった場合は患部を覆うなどして他人への感染を防ぎましょう。再発してしまったときは、早めに内服薬を使用すると症状を抑えることができます」(蒲原先生)

下半身では、臀部(お尻)に発生するヘルペスも増えてきています。

感染源の多くは、公衆浴場のイスや、外出先のトイレの便座です。これらは性器ヘルペスだけでなく、トリコモナスなどの性病感染の原因にもなっています。利用する際は、タオルを敷いたり、少し腰を浮かせたりして、肌がイスや便座の表面に直接触れることのないよう注意してください。トイレによっては、消毒用のアルコールや、座る際に敷くためのシートが用意されていることもあります。積極的に活用しましょう。

いずれの場合も、にきびや蕁麻疹(じんましん)など他の皮膚疾患だと思い込んで放置し、受診が遅れるケースがあります。

ヘルペスは対応が早いほど症状も軽く、回復までの期間も短く済むので、皮膚に異常を発見したらまずは病院を受診してください。

年に数回ほどヘルペスが再発する場合は、あらかじめ抗ウイルス薬を手元に置いておくと、初期症状のうちに対処できるので便利です。ただし市販の抗ヘルペス薬は塗り薬しかないため、効果が出ない場合は早めに医師の診察を受け、より適切な治療薬を処方してもらいましょう。

 

取材・文/高橋星羽(デコ)

 

<教えてくれた人>

蒲原 毅(かんばら・たけし)先生

1995年横浜市立大学医学部卒業。同附属市民総合医療センター皮膚科部長、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医。帯状疱疹や皮膚病全般の診断と治療が専門。

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