無理なく、手軽に高い健康効果を得られる方法の一つが温浴です。そこで、『医者が教える最強の温泉習慣』の著者で医学博士の一石英一郎先生に、温浴の健康効果や正しい入浴法についてお話をお伺いしました。医学的エビデンスに基づく、温浴の高い健康効果を知り、毎日の健康管理に役立てましょう。
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より体にいい入浴法は、どっち?
一石先生に、より健康効果を高められる入浴法について伺いました。入浴事故を防ぐポイントとともに覚えておきましょう。
Q.朝風呂、夜風呂、どっちが体に優しいの?
A.
→安眠したいなら 夜風呂
就寝90分前に入浴するとリラックス効果が高まり眠りやすくなります。ただし、副交感神経が優位になり体が油断しているので湯冷めには注意を。
→シャキッとしたいなら 朝風呂
朝、しっかり目覚めたいときは熱めの湯につかって交感神経を活発化。起きてすぐの入浴は体温の変化などで事故になりやすいので避けましょう。
Q.入浴前後の水分補給はお茶がいいって本当?
A.
→入浴前なら温かい緑茶
入浴前に緑茶を摂取すると、カテキンの吸収率を高めることができます。カテキンには、体脂肪燃焼や動脈硬化予防が期待できます。
→入浴後なら牛乳
近年、牛乳の成分に脱水を予防するたんぱく質が含まれると解明され、入浴後の摂取で脱水予防が期待できます。牛乳には睡眠を促す効果も。
Q.かけ湯って自宅でも行うべきですか?
A.自宅でも温泉でも必ず行います
かけ湯は、急激な温度変化による血圧の急上昇を防ぐために必要です。急激な血管の拡張や刺激を抑え、心臓や血管の負担を減らします。
Q.入浴事故を防ぐには?
A.急激な体温の変化を防ぐことが大切です
寒い脱衣所から急に熱い湯に入ると、血圧が急上昇したり心臓に負担がかかったりします。休憩や半身浴などを取り入れて、安全に入浴しましょう。
【温度とつかる時間を守る】
42℃で5分、41℃で10分、40℃で15分が、安全な入浴の目安。こまめに湯から出て休憩と水分補給を。
【長湯の人は半身浴】
「長湯がしたい」「休憩は面倒」という人は、半身浴が安全。胸のあたりまでの湯につかりましょう。
【「おかしい」と思ったらすぐに出る】
入浴中、「何となくきつい」と感じたらすぐに上がります。座るか横になって、安静にしましょう。
参考:『医者が教える最強の温泉習慣』一石英一郎(扶桑社、2018)
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取材・文/笑(寳田真由美)