百寿者研究(※)では、体内の慢性炎症を抑えるには、EPA、DHAの摂取が有効だということが分かっています。そこで、EPA、DHAを効率的に摂ることができる自家製「えごまおかか」を、料理家で管理栄養士の小山浩子さんに教えていただきました。そのまま食べても、調味料代わりにも、ふりかけにしてごはんにかけてもおいしい「えごまおかか」。毎日の食卓に加えてみましょう。
※百寿者研究...「百寿者(100歳以上の人)」について、慶應義塾大学医学部百寿総合研究センターの新井康通先生20年以上にわたって続けている研究のこと。
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体内でEPA、DHAに変わる「α-リノレン酸」で健康長寿
体内の慢性炎症を抑えるには、EPA、DHAの摂取が有効です。
「EPA、DHAは体内で作ることができないので、毎日摂取する必要があります。青魚に豊富ですが、魚料理は塩分が高くなりがちで、毎日食べるには不向き。そこでおすすめがえごま。
えごまの脂質には、α-リノレン酸という体内でEPAやDHAに変化するオメガ3系の必須脂肪酸が豊富。毎日ちょこちょこと摂取することで、動脈硬化や認知症などの予防になります」と、小山浩子さん。えごまおかかは、そのままはもちろん、調味料代わりに使って、おいしく減塩できます。
●えごまのスゴイ健康効果
オメガ3の1日の摂取目安=1~2g(成人女性)
※えごまおかか大さじ山盛り1で4mg摂取できます
●老化の原因、慢性炎症を防ぐ
えごまに多く含まれるα-リノレン酸は、脂質に該当する成分。α-リノレン酸は、オメガ3系脂肪酸の一つで、体内でEPAやDHAに変わります。定期的に摂取することで血管内の血栓を防いだり、血液をサラサラにする効果が期待され、慢性炎症の予防にも役立ちます。
●老充実の栄養成分で、認知症を予防
えごまには、腸内環境を整える食物繊維や酸素を全身に運ぶ鉄分の他、代謝を促す亜鉛、糖質をエネルギーに変えたり、脳や神経の機能を維持したりする働きがあるビタミンB1も多く含まれます。
●老骨を健康に保って、骨粗鬆症を防ぐ
実はえごまにはカルシウムも豊富で、骨や歯の健康維持に役立ちます。また、カルシウムには、血液の凝固を促進する作用や神経の興奮を抑える作用もあります。
そのままポリポリ食べられる〝えごまおかか〟の作り方
材料(作りやすい分量)
えごま...50g
※黒えごままたは白えごま
青のり ...大さじ5
削り節 ...10g
A みりん... 大さじ1
しょうゆ...大さじ1
はちみつ...小さじ2
作り方
1. Aは合わせておく。フライパンにえごま、削り節を入れ、中火よりやや弱火で3分ほど炒る。焦げやすいのでヘラで混ぜながら炒める。煙が出てきたら火を止め、青のりを入れて混ぜる。
2. 合わせておいたA を加えて全体を混ぜ、水分をとばすように余熱で炒める。
3. 粗熱がとれたら、保存用の袋に入れて冷蔵庫で保存する。
※冷蔵で約1カ月保存できます。
〇えごまには、黒えごまと白えごまがあります。どちらを使用しても分量は同じです。えごまが入手できない場合は、ごまで代用も可能です。その際は、黒ごま、白ごま、どちらを使用してもかまいません
〇えごまの実は、荏胡麻屋など、インターネット通販で入手できます。
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取材・文/笑(寳田真由美) 撮影/米山典子 スタイリング/片野坂圭子