<この体験記を書いた人>
ペンネーム:masako
性別:女
年齢:53
プロフィール:主婦です。コロナ禍で苦しむお店を「食べて応援」しているのですが、モヤモヤが止まりません。
53歳の主婦です。
56歳の夫と2人暮らしです。
コロナ禍の影響で苦しむお店を「食べて応援」しているのですが、モヤモヤが止まりません。
ことの始まりは、2020年の6月になります。
同じマンションの同じ階に住むAさん(40代既婚女性)のご実家は、地方で名産品を売る店を営んでいるのですが、やはりコロナの影響で、経営難に陥ってしまったそうです。
そのため「賞味期限間近の食料品の在庫を大量に抱えて困っている。安くするので、購入して貰えないか」と頼まれました。
そこで仲の良いマンションの住人グループ6人で、「食べて応援」と、Aさんの実家の商品を注文しました。
Aさんはとても喜んでくれました。
私は地元産のソーセージと生ハムのセットと、ローストビーフ、スモークサーモンの3点を購入しました。
元値は各8000円ぐらいなのですが、3点合計(送料込み)で10000円弱に値引きしてくれました。どの品も美味しかったです。
正直なところ、1万円の出費は痛かったですが、最初で最後だと思って奮発しました。
ですが、それで最初で最後というわけにはいきませんでした。
2~3日後、Aさんのご実家から別便でお礼状と、新しいパンフレットが送られてきたのです。
Aさんのご実家は継続した購入を期待し、しかも以後は定価販売のようでした。
スルーすることもできたのですが、手書きで綴られたお礼状がそれを許しません。
「このたびは本当に、本当にありがとうございました。今後ともどうかよろしくお願いします」
書かれた文字からは必死さが伝わり、見捨てる気にはなれませんでした。
グループの他のメンバーも同じだったようです。
私たち6人グループは相談の末、Aさんのご実家に客足が戻るまで、毎月5000円程度の品を購入し続けることに決めました。
あの頃はこんなにコロナ禍が長引くとは、思ってもみなかったのです。
その数日後、今度は同じマンションBさん(50代女性)からも、「食べて応援」の相談を持ちかけられました。
Bさんは近所の個人経営のレストランでウエイトレス兼調理補助のパートをしているのですが、そのレストランもコロナの影響で、客足が途絶えたそうです。
そのため、急遽、洋風弁当のテイクアウトを始めたので、協力してほしいとのことでした。
そのレストランは雰囲気もよく、安くはありませんが、ほどほどの値段で洒落た美味しい洋食が食べられるので、地元では知られたお店です。
コロナ禍の前には、私も夫や、マンションの6人グループと何度も足を運びました。
その際にお店のオーナーシェフから「Bさんのお友達だから」と、ミニサイズのオードブルやデザートを、オマケしてくれたものです。
そんなわけですから、私たち6人グループも断れず、交代で月10回ほど、洋風弁当を「食べて応援」することになり、今も続いています。
値段は1000円で、1800円のコース料理と同じものを詰めているので、コスパは悪くありません。
ですが、私もコロナの影響で収入が減っており、Aさんのご実家の月5000円に加え、Bさんのレストランに月10000円。
合計15000円の「食べて応援」はかなりの負担で、私のほうこそ援助が欲しいです。
たぶんグループのメンバーも、同じ思いのはずです。
誰か1人が止めると言えば、きっと全員が後に続くでしょう。
それが分かっているので私も言い出せず、今日も「本当に応援(援助⁉)が欲しいのは私たちよ」とモヤモヤしながら、名産品や洋風弁当を食べています。
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