<この体験記を書いた人>
ペンネーム:まろ
性別:男
年齢:41
プロフィール:3人の子供を持つ41歳のサラリーマンです。初めて身近な人が鬱になりました。
私は41歳で、妻は37歳の専業主婦です。
妻はたまにパートで仕事に出ることもあったのですが、新型コロナの流行もあり、6月頃からは特にパートに出ることもなく自宅にいます。
私も3月頃からテレワークが始まり自宅にはいるのですが、妻はこれを機にメディカルアロマの勉強を始めることにしたのです。
そして集中するために、部屋にこもってそれぞれ別の空間で日中時間を過ごすことが当たり前になっていきました。
たまに妻の部屋に行って、話しかけたりしていたのですが、勉強に集中していたのであまり近寄らないようにしていました。
そんな中で、まだ若い俳優さんが亡くなったニュースが報じられて、2人とも衝撃を受けました。
妻はそこから過去の作品や、インタビューを見て興味を持ち、何故あんな素晴らしい人が亡くなってしまうのか? と私にも意見を求められたりしました。
そんなことが数週間続きました。
「そんなにファンやったっけ??」
それくらいにしか思っていませんでしたが、たまに様子を伺うとスマホで関連することを調べたり、映画を見たりで勉強をしているのを見ることがなく、違和感を感じておりました。
私の最大の失敗ですが、そこで放置してしまったのです。
妻が部屋にこもるようになり、あまり部屋から出てこなくなりました。
私はなんて言ったらいいのか分からずにそのままにしてしまい、そして、放置している私に対する妻の不満が爆発しました。
情緒不安定な日々が続き、今までとはあまりに違う妻の言動を見ていて、私の頭に浮かんだのは「鬱」という文字でした。
それから鬱についていろいろと調べ、病院で診断が下されたわけではありませんが、ほぼ間違いないと思いました。
何故? と頭を抱えましたが、そんなことをしていても解決にはならないと思い、現実と向き合いました。
鬱の本を読む、ネットで調べる、鬱の映画も見ました。
振り返ると、妻のためではなく、どうしていいか分からない自分の不安をなんとかしたくて、いろいろ調べていたなあと思います。
成功したのは、家族みんなで理解して助け合うことでした。
子供達にもママがつらい思いをしていることを話したら、理解してくれました。
子供達もどうしていいかわからず、コミュニケーションが減っていたのですが、妻へ「行ってきます」、「ただいま」の挨拶を部屋を開けて顔を見てするようにしました。
妻は寝ていることが多かったのですが、挨拶が返ってくることもありました。
次女の保育園の送迎は私が毎日やりました。
保育園の様子や行事なども、たとえ行けなくても妻には伝えていました。
普段は子供のことを任せっきりにしていたので、全く分からず大変でした。
しかし、暫くすると妻が部屋から出てくる機会も増え、少しずつ良くなっている実感がありました。
最初の頃は妻は、自分の気持ちを誰も分かってくれないことで、孤独を感じていたようです。
私が妻を「鬱」だと思う前、自分が引きこもっている間、私と子供達で何とか協力してやっていたことも、自分は必要ではないと感じてしまったようです。
鬱は突然やってきます。
どうしたらいいか分からないのは当然だと思います。
周囲も気を使ってストレスも抱えてしまいます。
今回の経験で学んだことは、誰よりも一番辛いのは鬱になった本人であることを心で理解すること。
身近な人が鬱になって不安や戸惑いも当然ありますが、まずは誰かに、何かに頼ること。
自分自身が潰れてしまっては支えになることが出来ません。
支えることばかりを考えても自分が潰れてしまうので、自分自身もしっかりリフレッシュすること。
妻は検査を受けて「鬱」だと診断されたわけではありません。
ですが、明らかに心に問題を抱えていたことは間違いないでしょう。
私は妻のケアを通して、新しいことに気づけるきっかけになったと前向きに考えられました。
私は新たに趣味も見つけ、妻にそんな話もします。
妻の症状は完全に良くなったというわけではありませんが、みんながそれぞれ支えになれる環境が作れたことは本当によかったです。
コロナ鬱という言葉も耳にしますが、どうか1人で抱え込まずに、周囲の仲間で乗り越えていきましょう。
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