<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ふさこ
性別:女
年齢:69
プロフィール:長く息子夫婦と夫、義母と同居。しかし先日義母が100歳で亡くなり、自由の身を満喫中です。
70歳を目前にして、つい先日義母を看取りました。
満100歳の誕生日を迎えた翌日、老衰により、全く苦しまずに眠るように亡くなりました。
夫と結婚して36年間、ずっと同居していた義母でした。
この5年ほど、義母は認知症が進み、私は介護のためほぼどこにも出かけられない日々が続きました。
夫は2人兄弟の次男ですが、先に結婚した夫の兄はさっさと県外に出てしまいました。
義父はもっと早くに亡くなっており、1人残された義母のことが心配だと言って、夫は同居前提で私にプロポーズしてきました。
当時夫のことが大好きだった私は、夫のためなら何でもできると思い、同居条件をのんで、結婚しました。
思えば、これが運のツキでした。
結婚する前の義母は、私が夫の家に遊びに行くたび、手料理でもてなしてくれたり、私に夫の小さいころのことを面白く話してくれたり、それはそれは物分かりよく感じのいい人。
これなら、同居しても毎日楽しくやっていけそうだと思っていました。
ところが、同居を始めてからすぐ、義母の態度が豹変しました。
結婚した当時、私はお勤めをしていました。
結婚前に義母は「私が家のことをしてあげるから、あなたはお勤めを続けなさい」と言ってくれていたのに、いざ同居を始めたら「3食の用意すらしない」と愚痴を言われるようになってしまいました。
そして、そのことを近所の義母の友人に「うちの嫁、家のこと何にもしないのよ~。息子も私もご飯の用意すらなくて、お腹がすいて困ってるの」と言いふらして回っていたのです。
そのことに気づいたのは、結婚・同居を始めて数カ月たったころでした。
嫁という立場上、義母を強く問いただしたり、責めたりできなかった私は、仕方なく5年勤めた会社を辞め、専業主婦になりました。
その後子どもに恵まれ、専業主婦業と共に子育ての日々が始まりました。
しかし、義母は、子どものことより自分の用事のことを(送り迎えとか、食事、洗濯等)優先するように言ってきました。
私は、言われた通り動いたつもりです。
それこそ自分や自分の子どもたちのことは後回しにして、義母のことを第一に日々生活していました。
ですが義母は、自分の望むようにならないときは、周囲に言いふらすのです......。
この繰り返しが36年間続いたのです。
夫は義母のそんな様子を知っていながらも、たしなめようとはせず、「老人の言うことだから、間にうけるな」と私に流すように言うだけでした。
また義母は、私たち夫婦、子どもがどこかへ出かける時、必ずついてきました。
というより、夫はどこかへ出かけるときは普通に義母を誘うのです。
義母の前では黙ってそれに従うしかありませんでした。
夫のそういう優しい部分に惚れたのは私だから......とずっと我慢してきました。
夫婦の寝室に入ってくるのも当たり前のようにあり、時には引き出しがあいていることもありました。
まるで監視されているかのようだと思いました。
認知症が始まってからの義母は、私たちの夫婦の監視がさらにひどくなりました。
特に夫がいないと、「○○ちゃんはどこ? いつ帰ってくるの? まだ帰ってこないの?」と5分おきに私に聞く始末。
それなのに、近所の友だちの家を訪問しては「うちの嫁、本当に何にもしてくれないし、病院も連れて行ってくれないの。あんな人、息子の嫁には大失敗だったわ」と愚痴こぼしをしていたそうです。
近所のことなので、こういうことは回りまわって私の耳に入るようになっていました。
ご飯の催促も毎日何十回と来るので、自分がおかしくなるのでは...と思う日々が続きました。
ただ、同居して30年も過ぎれば私にも知り合いができるので、いつしか私も義母の愚痴を知り合いにぶちまけるようになっていました。
夫にももちろん伝えるのですが、やはり実母の悪口を言われるのは嫌なようで、私が愚痴を言い出すとさ~っと逃げるように家を空けるようになってしまいました。
私も辛いので、義母の世話の合間を縫っては、知り合いの家に行き、今まで義母にされて苦しかったこと、嫌だったことをぶちまける日々を続けました。
愚痴ばっかり言う人は大嫌いだった自分が、いつしか同じようになってしまっている現実、止められません......。
義母が亡くなった今も、言われて嫌だったことばかり思い出され、苦しさのあまり、外で愚痴ってしまう日々をおくっています。
姑に対する恨みは墓まで持って行かなければいけないのか......悲しい毎日です。
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