離婚した娘の子供の面倒を見る私。叱りつけた孫が持ってきた「あるもの」に涙が...

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:チューリップ
性別:女
年齢:52
プロフィール:娘の離婚を期に孫との同居の日々が始まりました。そこにあったのは楽しさだけではななく......。

離婚した娘の子供の面倒を見る私。叱りつけた孫が持ってきた「あるもの」に涙が... pixta_51055442_S.jpg

離婚した娘が二人の孫を連れて戻ってきました。

娘は1年ほど家事&育児中心の生活を送っていましたが、離婚の傷がいくらか癒えたこと、生活のため、そして将来の事などを考え、フルタイムで仕事に出ることになりました。

...となると、それまで娘がやっていたことを誰かがやらねばなりません。

そこで白羽の矢が当たったのが私。

家事と育児を一手に引き受けることとなりました。

40代後半で「おばあちゃん」となり、下手に若いため仕事を辞める決心がつかず、それまでフルタイムで働いていた私。

仕事を減らしほどほどにして、自由な時間がたくさんあって、お孫ちゃんと毎日遊んで暮らせる......。

そんな、楽しいことばかりを思い描いていました。

しかし、実際にはそんな甘い話ではなかったのです。

幼い孫たちの世話はとにかく「超ハード」。

一緒に遊ぶ、お風呂に入るはもちろん、ご飯を食べるだけでも体力と気力を要します。

しかも娘も夫も仕事が終わるのが遅く、夕飯に間に合わないこともしばしば。

私1人が頑張るしかありません。しかも毎日。

まさに疲労困憊の生活で「こりゃ、仕事の方が全然楽だな」と思えるほどでした。

自分でも驚くほどイライラが募り、「食べるのが遅い」とか「テレビやゲームの時間が長い」など、孫を叱る回数が増え、そしてそんな自分に嫌気がさして落ち込む......。

いつしかそんな日々になっていました。

でも、そんなある日、忘れられない出来事が起こったのです。

いつも通り夕飯を終えた時のこと。

「ばあちゃん、遊ぼ♪」と2人の孫が誘ってきました。

でも、食事の後片付けをしなければいけない時間。遊ぶのは無理なのです。

毎日そう説明しているのに「遊ぼう遊ぼう」と言い続ける孫たち。

「この時間は無理なの! 遊べないの!」

私は苛立ち、キツイ口調で言ってしまいました。

当然のように、とっても悲しそうな顔になった二人のお孫ちゃん。

うつむいて自分たちの部屋に入っていってしまいました。

「なんでこうなるのだろう...。私は、ただただ優しいばあばでいたいだけなのに」

二人の姿を見て、私は涙が止まらなくなってしまいました。

でも、しばらくして、お孫ちゃん2人が戻ってきてくれたのです。

そして......私にお手紙を渡してくれました。

そこには幼い文字で、こう書かれていました。

「ばあばだいすき。ゴメンね、いつもありがとう」

きっと......幼い二人が一生懸命に考えた「ゴメンナサイ」の方法だったのでしょう。

その手紙を見て、涙がどっどあふれてしまった私。

「ばあばこそゴメンね」というのが精一杯でした。

そんな私を「ばあばが大好き」と言いながら、孫はふたりでギュッと抱きしめてくれました。

「ああ、私はすこし頑張りすぎていたのかもな」

この出来事でそう気づいた私。

まだまだ先は長いのですから、少し肩の力を抜いてやっていこう――。

そう思わせてもらった出来事でした。

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