<この体験記を書いた人>
ペンネーム:チューリップ
性別:女
年齢:52
プロフィール:娘の離婚を期に孫との同居の日々が始まりました。そこにあったのは楽しさだけではななく......。
離婚した娘が二人の孫を連れて戻ってきました。
娘は1年ほど家事&育児中心の生活を送っていましたが、離婚の傷がいくらか癒えたこと、生活のため、そして将来の事などを考え、フルタイムで仕事に出ることになりました。
...となると、それまで娘がやっていたことを誰かがやらねばなりません。
そこで白羽の矢が当たったのが私。
家事と育児を一手に引き受けることとなりました。
40代後半で「おばあちゃん」となり、下手に若いため仕事を辞める決心がつかず、それまでフルタイムで働いていた私。
仕事を減らしほどほどにして、自由な時間がたくさんあって、お孫ちゃんと毎日遊んで暮らせる......。
そんな、楽しいことばかりを思い描いていました。
しかし、実際にはそんな甘い話ではなかったのです。
幼い孫たちの世話はとにかく「超ハード」。
一緒に遊ぶ、お風呂に入るはもちろん、ご飯を食べるだけでも体力と気力を要します。
しかも娘も夫も仕事が終わるのが遅く、夕飯に間に合わないこともしばしば。
私1人が頑張るしかありません。しかも毎日。
まさに疲労困憊の生活で「こりゃ、仕事の方が全然楽だな」と思えるほどでした。
自分でも驚くほどイライラが募り、「食べるのが遅い」とか「テレビやゲームの時間が長い」など、孫を叱る回数が増え、そしてそんな自分に嫌気がさして落ち込む......。
いつしかそんな日々になっていました。
でも、そんなある日、忘れられない出来事が起こったのです。
いつも通り夕飯を終えた時のこと。
「ばあちゃん、遊ぼ♪」と2人の孫が誘ってきました。
でも、食事の後片付けをしなければいけない時間。遊ぶのは無理なのです。
毎日そう説明しているのに「遊ぼう遊ぼう」と言い続ける孫たち。
「この時間は無理なの! 遊べないの!」
私は苛立ち、キツイ口調で言ってしまいました。
当然のように、とっても悲しそうな顔になった二人のお孫ちゃん。
うつむいて自分たちの部屋に入っていってしまいました。
「なんでこうなるのだろう...。私は、ただただ優しいばあばでいたいだけなのに」
二人の姿を見て、私は涙が止まらなくなってしまいました。
でも、しばらくして、お孫ちゃん2人が戻ってきてくれたのです。
そして......私にお手紙を渡してくれました。
そこには幼い文字で、こう書かれていました。
「ばあばだいすき。ゴメンね、いつもありがとう」
きっと......幼い二人が一生懸命に考えた「ゴメンナサイ」の方法だったのでしょう。
その手紙を見て、涙がどっどあふれてしまった私。
「ばあばこそゴメンね」というのが精一杯でした。
そんな私を「ばあばが大好き」と言いながら、孫はふたりでギュッと抱きしめてくれました。
「ああ、私はすこし頑張りすぎていたのかもな」
この出来事でそう気づいた私。
まだまだ先は長いのですから、少し肩の力を抜いてやっていこう――。
そう思わせてもらった出来事でした。
■おすすめ体験記
5歳と8歳の孫を私に預け「記念日ディナー」の娘夫婦。共働きで子供と触れ合う時間が少ないのに...
「孫を預かったなら、しつけもしてください!」息子の嫁の理不尽な言い分に抗議したら電話を切られ...
離婚した娘の子供が1歳前から保育園に。「かわいそうに」と思ったけれど...
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。