<この体験記を書いた人>
ペンネーム:れもん
性別:女
年齢:45
プロフィール:二人の子を持つシングルマザーです。長年腰痛に悩まされながらも、ハイキングをこよなく愛しています。
10年程前に離婚をし、2人の子供を連れて実家へ戻りました。
それ以来ずっと、実父母と一緒に暮らしております。
幼い子供たちの育児をしながら働き、生計を立てていかなければならなかった私にとって、両親の協力を得られた事は、大変ありがたいものでした。
しかしながら、良い事ばかりではありません。
自分を育ててくれた実の両親との同居生活でありながらも、色々な難しさを感じている今日この頃です。
私の実家には、昔から物が多くあります。
独身時代、実家で暮らしていた当時21歳の私はそんな自覚は全くなく、我が家の物量など考えてみたこともないまま毎日を過ごしていました。
そんなある日、初めて彼氏(元夫)を自宅へ招いた時の事。
彼の第一声が、これでした。
「家に物が沢山あるね~。物、物、物...」
その日を境に、家の中に置く物がどれくらいなら適量なのか、考えるようになっていきました。
そして我が家は沢山不要な物で溢れていることに気がついたのです。
使わない物、要らなくなった物、壊れて使えない物...急に「捨てたい」という衝動に駆られてしまいました。
そのための準備として家のあらゆる物を仕分けしてみましたが、私の両親は、それらをなかなか手放すことができませんでした。
なぜそこまで物が捨てられないのか。正直、私にとっては今でも理解し難いのです。
これはジェネレーションギャップなのでしょうか。
でも確かに親世代が育った時代と、現代とは大きく異なるので、両親が抱く物への執着心も、ある程度は仕方がないと自分に言い聞かせています。
それでも我慢できなくなり、私を悩ませるのは77歳の父です。
父は戦後、貧しい子供時代を送ったせいもあるのか、とにかく物を捨てられません。
私が片付けをして不要になった数々の物を、無理にでも自分の部屋で使おうとします。
たとえそれが壊れていても、まだ使える! もったいない! と...。
鏡、本棚、タンス、衣装ケース等々。
とは言え、これまではまだ良かったのですが...。
今年の夏。ある昼下がりに、私は自宅のリビングでコーヒーを飲みながら寛いでいました。
ふと前方に目をやると、父が扇風機で涼んでいます。
そして無意識に視線を下方向にずらすと、茶色くなった扇風機のコードが目に飛び込んできました。
...え? ...焦げ? ...そのコード焦げてるんじゃない!?
びっくりした私は、コードが部分的に焦げている事を父に伝え、今すぐに使うのをやめるよう言いました。
でも父は、そんなに古いものじゃないから大丈夫の一点張りで、なかなか聞き入れてくれません。
それどころか、茶色に変色しているのは焦げではなく、単に汚れているだけ! と主張し続けるのです。
焦げだったら...と、危険を感じてしまった以上「それが本当に汚れなら、拭き取って見せて」と、私も引く訳にはいきません。
けれど、挙句の果てには、コードがこんな焦げ方をするわけない等と、根拠のない理屈まで並べ立てる始末です。
最終的には、扇風機のコードが焦げた部分から、発火してしまった事例の動画を見せ、どうにかこうにか、やっとのことで使うのをやめて貰う事ができました。
...と、言いたいところですが、翌朝もまた、父は同じ扇風機をそのまま使っていました...。
せめて修理に出してほしいのですが、おそらく修理費と同じくらいの費用で新しい扇風機が買えるのでしょう。
これからの季節は暖房器具が心配です。世代の考え方の違いを念頭に入れながら、何とか平穏にやっていきたいと思います。
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