20代で結婚して、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で中道さんが見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」をご紹介。妹さんご夫妻と旅をして、中道あんさんが思ったこととは。
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久しぶりに妹夫婦に会い、数日間一緒に行動を共にしました。
この夫婦はずっと変わらず、本当に仲が良いのです。
妹は私と同じ50代で、夫である義弟は妹より一回り以上も年上。
かなりの年の差夫婦です。
喧嘩をネタに笑い話に変えたり、お互いを上げたり、落としたり、その姿はまるで夫婦漫才のよう。
この二人をみていると羨ましくて仕方がない。
そして、いまひとつ「自分にはどこかに欠陥があるのではないだろうか」と思うのです。
これまでに2回、3人で東北と北海道を旅行しましたが、いつも妹夫婦が行動を共にし、私はおひとりさま旅行のようなもの。
妹夫婦は休みの日はいつも一緒に過ごしているというのです。
「ずっと一緒にいて、飽きないのか?」「うっとおしいと思う瞬間はないのか?「毎日話すことなどないだろう?」など、中年夫婦が抱えているであろう「あるある」を問うてみましたが、答えは「NO!」。
「毎日話をすることはたくさんあるし、だって私は、パパを好きだからね。」とにっこり微笑むのです。
義弟はそろそろ70歳も目前です。妹は夜半に目覚めた時、横でスヤスヤと眠る夫の寝息を聞きながら、「あぁ、きっと先に逝くであろうな」という考えが頭をよぎるのだそう。
そして、それと共に深い悲しみがこみ上げてくるという。
一緒にその話を聞いていた義弟に、「1日でもいいので妹より長生きしてくださいね」とお願いしました。
恋愛中ならともかく、そんなにも夫に対し愛情を保てるのだろうか?
私は恋愛結婚でしたが、別れた夫に対して愛情がいつまであったのか定かではありません。
忘れてしまったのか、元々なかったのか、今となっては思い出せないのです。
最高の幸福感を味わったのは、初産だった長男の出産時。
陣痛は激しかったのですが、その痛みがぶっ飛ぶくらいにそれまで感じたことがない最高の幸福感を味わいました。
それまでは、女性が最高に幸せを感じる瞬間は純白のウエディングドレスに包まれた結婚式だと思っていたのに、それはめちゃくちゃ小さなものだったなと、あの時、思ったことをとても覚えています。
あれから30年、それを超える大きな幸せを感じたことがありません。
子どもは大人になりお互いに離れてはいますが、存在して当然の存在です。
いま全く喧嘩することがなく仲のよい関係を築けています。
ああ、飼っている犬になら、妹の気持ちもわかる。
今年の夏で3歳になる、我が家のガク。
犬の寿命は10~15歳といいます。
人間も50歳を過ぎたら明日のことは分からないけれど、私が70歳になる頃には天に召されているであろう、そのことを考えると無性に悲しくなるのです。
なんで飼っちゃったのかなぁ、出逢わなければよかったのかもと思うこともあります。
よく隣の芝生は青いとはいうけれど、妹を見ていると、人生の伴侶がいるということは羨ましい気持ちで一杯です。
この先、自分にとってなくてはならない存在となる男性と出会うことって本当にあるのだろうか。
そんなのは奇跡に近いのではないだろうか。
白馬に乗った王子様ならぬおじさんは幻想に過ぎない?
そんな人を無意識に求めているから出会いがないのか、いつかまた誰かと暮らすことはあるのだろうか。
...そんなことを思わせてくれる妹夫婦の姿でした。
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