認知症が進行する前に、誰か...。「誰ひとり見舞いに来ない」姑が哀れに.../かづ

アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と3ニャンとで暮らしています。私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。

前回の記事:夫は仕事に逃げ、舅は無関心...。「認知症になった姑」との半同居生活/かづ

認知症が進行する前に、誰か...。「誰ひとり見舞いに来ない」姑が哀れに.../かづ pixta_46303657_S.jpg

病院に着いた私と姑はそれはみっともない姿だったが、診察を受けて薬を貰う事が出来た。

帰りはさすがに電車では無理だと思い、タクシーで帰った。

けれども毎回往復タクシーでは、いつまで続くか分からない介護にはお金が掛かりすぎる。

私は車の免許を取る事にし、教習には主に夜通う事にした。

病院から睡眠薬を処方して貰い、舅姑には夕飯を早めに済ませて貰い、風呂も入れて姑には睡眠薬で寝て貰った。

どうしても日中に教習を受けなければならない時だけ夫に休みを合わせて貰い、私は1ヶ月半で免許を取った。

当時は家事と子育てと介護の中だったので、久しぶりの勉強がなかなか頭に残ってくれず、かと言って教習に落ちると1回5千円の追加金が掛かるので、必死だった。

車も購入しなければならず、加えて駐車場もマンションの近隣に探さなければならず、貯金があっと言う間に減って行った。

姑の症状と言うと、医師からはだんだんと家族も分からなくなるので、今のうちに会わせたい人と会わせておいた方がいいと言われた。

たしかに、食事の際に姑は舅を指さして

「かづ...、この方はここの大家さん? 挨拶しといた方がいい?」

と言ってみたり、長男を見て夫の名前を呼んでみたり、また夫の顔を見ても自分の息子だと分からない日の方が多くなってきた。

姑に夫の事を「お義母さんの息子だ」と言っても

「なんでよ~、私独身やのに息子がいるわけ無いやん」と言う。

「では私は誰ですか?」と問うと「あんたは嫁のかづ♪」と言うので

「じゃあ嫁がいるって事は結婚して息子さんがいるって事ですやん?」と言うと、姑はしばし黙って考え込み、困惑する様になった。

医師からも言われたので姑に今の内に会いたい人はいるのかと聞くと、親戚と友達に電話をしてくれと言う。

姑の実兄と実姉に事情を説明して会いに来てくれないかと電話で頼んでみたが「行ってもわからんようになってたら意味が無いから行く必要は無いやろ」と言われ、実妹には「姉ちゃんとはずっと昔に縁を切ってるから」と言われて電話を切られた。

姑が元気な頃に「私には病気になったと聞けば飛んで来てくれる友達がいっぱいおる!」と言っていたので、姑の手帳の住所録からしばしば名前を聞いた事があった数件に電話を掛けてみたが、「向こうは友達だと思ってたか知らんけど、私は友達だと思っていないから」と言われたり、「そんなに仲が良かった訳でもない」と、どの方からも断られた。

そう言えば、と思い出したのが、以前舅側の親戚の法事の集まりがあった際にも、姑は皆から嫌われていたのが良くわかった事があった。

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姑から「兄ちゃんはどうだった? 姉ちゃんは?」と聞かれたが、「皆さんお身体の具合が悪いようで来たくても来られないそうです。」と言い、「TさんやMさんは?」とも聞かれたが「地域の会合などでお忙しいようです。」と嘘をついた。

姑はまだら認知症の症状がまだ残っているので、完全に分からなくはなっていない。

所々分かって話しているから、下手に曖昧に誤魔化すような事は言えなかった。

「兄ちゃんはぎっくり腰持ちで、姉ちゃんは膝が悪かったわ。TさんもMさんも立派な方達で、忙しく飛び回ってるからやわ」

姑が本当に納得したのかどうかは分からなかった。

もしかしたらそうやって自分を納得させていたのかも知れないが、日頃から自分は周りから好かれていると思っていた様子を思い起こすと、姑が哀れに見えた。

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かづ

​ブログ「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」の管理人で、Ameba公式トップブロガー。 ​基本専業主婦の​50代​。子育てが終​り、​夫と4ニャンと暮してい​る​結婚36年目です。 ​一人っ子の夫と結婚し、舅姑の理想の嫁でなかった私の結婚生活においての戦いを思い出しながら書いています。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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