嗚呼、今日もあなたの好物を作ったのに...。聞くたびに「好み」が変わる56歳の夫との日々

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:masako
性別:女
年齢:53
プロフィール:53歳の主婦です。56歳の夫と2人暮らしです。尋ねるたびに、食べ物の好みが違う夫に困っています。

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53歳の主婦です。子供はおらず、56歳の夫と2人暮らしです。

夫は好き嫌いがほぼなく、「今日は何が食べたい?」と尋ねても、たいてい「何でもいい」と答え、私が作った食事に対しては、何も文句を言わず、黙って食べるタイプです。

そういう人なので、極端に言えば何を出しても大丈夫なのですが、やっぱり好きな物をできるだけおいしく食べさせてあげたいと思うのが、人情というもの。

そのため、たとえば麻婆豆腐なら、「四川風と広東風とどっちが好きか」とか、「絹ごし豆腐と木綿豆腐のどっちがいいか」などと細かく尋ね、夫の回答をメモしてきました。

また、たとえばグルメ番組でドリア特集を放送していたときに「俺はドリアより、グラタンが好き」と言えば、それもすかさず書き留めておきます。

メモはかなりの量におよぶのですが、今のところ、ほとんど役立っていません。

なぜなら、夫は同じ料理でも尋ねるたびに答えが違うことがままあるからです。

「ハンバーグは和風が好き。他はいらない」

という夫の言葉を信じて和風ハンバーグを作り、出す時にも念のためも確認します。

「和風が1番好きなんだよね?」

「ううん、和風もいいけれど、デミソースが1番好き」

確かに言ったのに...こんな感じで当たり前のように前言を翻すのです。

先日も、お刺身を出した際に同じことがありました。

「鯛、マグロ、イカ、ホタテのような4点盛りの刺身セットより、全部マグロの刺身がいい」

何日か前に、絶対に、間違いなくそう言ったのです。

だから今度はマグロだけのお刺身を買って食卓に出しました。

「マグロだけでもいいけど、色んな魚があったほうが好きだな」

...嘘みたいですよね?

でも何の悪気もなく平気で言うんです。

メモも残っているので、私の記憶違いということは絶対にありません。

いつもは黙って引き下がるのですが、この時はさすがにムカついたのと、もしかしたら、記憶に何か障害でもあるのかもしれないという不安もあり、ついきつく言ってしまいました。

「好きな物を食べて貰おうと思って頑張っているのに、何でいつも訊くたびに食べ物の好みが違うの? どこかおかしいんじゃないの」

「味の好みって、その時の気分で変わるのが当たり前じゃないの?」

夫はなんで文句を言われているのか全く分からず、きょとんとした顔で聞き返してきました。

確かに、年齢や体調、気分になどによって食べ物の好みは変わってくることはあるでしょう。

私にだって心当たりはありますが、夫は変わりすぎではないでしょうか。

「俺がアレが好き、コレが好きと言っても、別に反映しなくていいよ。思いつきで言っているだけだし、出されれば何でも食べるからさ」

夫はフォローのつもりで言ったのでしょうが、私の隠れた努力は無意味だと言っているのと同じだと、気づいていいるのでしょうか?

もう夫の好みなど気にせずに、私の都合だけで作ろうかとも思ったのですが、やはり、夫においしく食べてほしいという気持ちも捨てきれず、頭を抱えるばかりです。

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