リビングの暗がりで膝を抱え...。目を手術した姑に起きた「異変」/かづ

アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と3ニャンとで暮らしています。私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。

前回の記事:聞き覚えのある「怒鳴り声」が...。近所の仮設住宅に越してきた母/かづ

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母が復興支援住宅に引っ越して行きホッとしたが、実はこの2年の間に義実家の状況が大きく変わっていた。

震災から1年も経たない頃、姑は緑内障と白内障の手術をした。

その手術に当たり、今までずっと髪を美容院で黒染めしていた姑が、どこからか髪染めが目に悪いという噂を聞いたらしく、手術の数か月前から毛染めをやめていた。

髪は頭頂部や額の生え際からどんどん真っ白になり、黒染めしていた部分の境目は薄茶色になって行った。

年相応と言えばそうだが、姑は化粧品専門店のお手入れ会には定期的に行き、髪は頻繁に染めて、隣近所だけでなくあらゆる所で「その歳に見えないわ~」をプライドの一つとしていたので、この白髪頭は姑にとっては絶対に人には見られたくなかったはずだ。

ましてや知り合いには絶対に。

手術前数か月を自宅に引きこもって過ごしていた姑だが、手術をして帰宅した後も必要以上に眩しいと言う理由から自宅に引きこもっていた。

その間は当然の様に私が家事に買い物に通う羽目になったが、具合が悪いのか、当時私の母親が仮設に入っている事への嫌味以外はおとなしかったのは幸いだった。

ある日の事。

家事と食事を作りに姑の家に行くと、家の中が真っ暗だった。

単に電気を点けていない暗さではなく、昼間にも関わらず深夜の闇の中の様だった。

玄関の電気に廊下の電気と、次々と灯りを点けてリビングまで行った。

そこには一人掛けソファーに舅が座って、真っ暗の中テレビを見ていた。

よくテレビで映画鑑賞をする時など、部屋の電気を消すと映画館の中の様な気分になると聞くが、テレビからは普通の時代劇が流れていた。

「お義父さん...、これどうしたん?」

舅に聞いた。

「いやな、お母ちゃんが明るいのがアカンらしくて、昨日かづが帰った後、急遽カーテン屋呼んで付けて貰ったんや。」

「えっ?1日で??」

普通カーテンを3LDK分にキッチン出窓にリビング出窓分を換えるとなれば、採寸から何からして数日掛かる。

ましてや姑の事だから、自分で買いに行って自分で交換するなんて事はせず、業者を自宅に呼んで採寸して貰って注文し、当然設置もして貰っている。

「昨日業者が来て全部換えて行ったんや。」

カーテンは全て厚手の遮光カーテンになっていて、中のレースのカーテンも遮光タイプの物だった。

「これ結構しますよね...」

値段をすぐに気になるのは別に私が関西人だからと言う訳ではなく、普段からの姑の金遣いを知っているからだ。

「僕は知らんけど?」

舅は他人事のように淡々と話すが、いつもの事だ。

ふとキッチンのテーブルに目をやると、そこにはカーテンの領収書があった。

カーテンに30万!

日頃爪に火を点す様に切り詰めている私にしてみれば、夫に承諾無く全室のカーテンを30万円もかけて変更するのに驚いたが、それもこれも舅姑の力関係を考えたら納得がいく。

恐らくいくらでも出すからと、即日設置が出来る業者に頼んだんだろう。

「で? お義母さんは??」

「あそこにおるで。」

舅が指さした所は、リビングの一番暗い隅だった。

そこで姑は、ツバ広の帽子を目深に被り、毛布に包まって膝を抱えていた。

「お義母さん大丈夫ですか?」

声を掛けても姑は動かない。

近くに寄って、肩を叩いて声を掛ける。

寝ている訳じゃ無いのは解った。

下から覗いて見た帽子の中の姑の顔は、一点だけを見てボーっとしていた。

私は医者ではないが、瞬時に精神的な病だと思った。

舅に聞いた。

「お義母さん、いつから? 昨日は具合が悪いって言うから寝てたけど、一昨日はそんな事無かったやん。」

聞く所によると、以前から夜中に突然誰かがしゃべっている声がするだとか、カーテンの裏から小人(三角帽子で10㎝程度の子供)が手を振って笑っていたとか言い、舅を起こしていたらしい。

そんな大事な事、早く言えよ!!

いくら緑内障と白内障の手術をして眩しいと言っても、ここまでするのは明らかにおかしい。

私が舅におかしいと言っても

「ここんところ寝不足やったからやろ?グッスリ寝たら治るわな。」

と舅は言う。

寝不足程度で、そんな急にカーテン屋を呼んで、全室遮光カーテンになんかしないだろうよ。

私は夫が帰ってから、今日見て来た事を全部話した。

「お袋も疲れてんのやろう。悪いけど、面倒看たってな。」

やはり親子だ、舅と全く同じ事を言う。

ロクに家事なんかせずに、単にゴロゴロしては昼からビールを飲み、上げ膳据え膳の姑が小人が見えるほど疲れる訳がないじゃないか!!

夫に、姑を病院に連れて行く事を勧めるが

「僕のお袋を病人扱いすんのか!? 面倒看たないから、そんな事言うんやろ! それに、お前は医者か!? なに診断しとるんや!?」

大激怒だった。

続く

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かづ

​ブログ「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」の管理人で、Ameba公式トップブロガー。 ​基本専業主婦の​50代​。子育てが終​り、​夫と4ニャンと暮してい​る​結婚36年目です。 ​一人っ子の夫と結婚し、舅姑の理想の嫁でなかった私の結婚生活においての戦いを思い出しながら書いています。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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