跡を取った弟はどう考えているの...「70代で弱った両親との同居」を提案しに、重い気持ちで弟宅を訪ねたら...⁉

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:向日葵
性別:女
年齢:52
プロフィール:57歳の夫と2人の子供と暮らすパートの主婦です。70代の年老いた実家の両親が心配なこのごろ。

跡を取った弟はどう考えているの...「70代で弱った両親との同居」を提案しに、重い気持ちで弟宅を訪ねたら...⁉ 19.jpg

気持ちは高校生くらいからあまり変わっていないのですが、私もいつの間にやら気付くと52歳。

成人した子供がいる、いい年のおばちゃんになりました。

当然、私が年を取れば両親も年を取るわけで、実家の父は75歳、母は72歳ともう立派な高齢者です。

二人は今まで古い家で二人暮らしをしていました。

父は仕事を引退したあとも、親戚の農家を手伝ったり元気に働いていましたが、ここにきてめっきり老け込んでしまい、物忘れも激しくなりました。

散歩中に転んでしまい、意識を失って救急車で運ばれるなんてことも起きて、足腰の衰えも顕著です。

血糖値も血圧も高く、食事にも気をつけなくてはならないのですが、母の手料理は昔ながらの濃い味付け。

母もこの頃は家事や料理をするのが大変なようで、週末に顔を出すと、掃除もあまりされてなくて畳がジャリジャリに......。

そんなとき、今度は父よりはしっかりしていたかに思えた母が、玄関でつまずいてコンクリートのタタキに頭から転んでしまい、まるでお岩さんのように顔が腫れあがるケガをしてしまいました。

幸い打撲だけで骨や脳にダメージはなかったのですが、これには本人もずいぶんショックだったようです。

「もうそろそろ、二人だけの生活は無理かもしれない」

そんな考えが浮かびました。

実は20年ほど前、実家の跡を取っている弟が、実家から徒歩で10分程の距離に家を建てたときに同居の話が持ち上がったのです。

ですが、まだ父も50代と若かったこともあり、「同居はしない」と断っていました。

でもさすがにもうそろそろ高齢の両親だけでは生活がままならないと感じた私は、弟(50歳)と話し合うことに。

前もって電話で連絡をとり、とりあえず父母には知らせずに姉弟二人で話し合おうと、弟の仕事が休みの日に、弟の家を尋ねました。

私は嫁に出た身で、実家の跡を取っているのは弟なので、弟の家に同居をしてはどうか? と提案する心積もりでした。

ただ、心配なのは弟のお嫁さん(47歳)の気持ちです。

弟のところは、夫婦と22歳と18歳の娘が2人いる4人家族。

家族だけで暮らしてきたのに、今更義両親との同居を快く受け入れてくれるかどうか、正直心配でした。

話しの流れによっては、施設の入居も考えなければならないかもしれませんが、そうなると金銭的な負担も考えなければなりません。

もちろん、できることはするつもりですが、病気の夫とまだ自立までは先が長い中学生の末息子を抱えてフルで働く私。

資金的なことも人的なこともできることは限られてしまうなあ、と考えこんでいました。

そして、重い気持ちで訪れた弟宅で...弟の口から、思わぬセリフが飛び出したのです。

「ああ、来月から家で同居することになってるから」

もう、まさにあっけからんとした笑顔でそう言ってのけた弟。

私は、とってもうれしい肩透かしをくらった形でした。

弟も、両親のケガが続いたため、心配して既に同居の話をしてくれていたのだそうです。

もともと「同居するのは当然だ」と思っていたので、前もって私には知らせなかったのだとか。

お嫁さんも、「部屋も20年前から用意してありますし」とニコニコ笑顔を見せてくれました。

「ああ、ありがたい」

本当に、心底思いました。

こうして心配だった実家の両親は、弟家族と同居することになり、一安心。

しかし、これからますます年老いていく両親のお世話は、かなり大変なことが予想されます。

私をこの世に生んでてくれた、かけがえのない両親。

後で後悔しないように、私もできる限り、弟夫婦と協力していこうと思っています。

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