「駅前の古びた店」はなぜつぶれない? 客が来なくても問題無い、お店の裏側に隠されたからくり

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『なぜコンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれないのか?』 (平野薫/ダイヤモンド社)第5回【全5回】

コンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれない? 一見無関係な事柄同士でも、紐解くとお金の流れで繋がっていることがあります。本書『なぜコンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれないのか?』 は、日常の「ふとした疑問」をロジカルに解説した「お金の流れが見える本」。本連載では、コンビニコーヒーの値段から古びた店がつぶれない理由まで、5つの事例を紹介します。

※本記事は平野薫著の書籍『なぜコンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれないのか?』(ダイヤモンド社)から一部抜粋・編集しました。


なぜ駅前の古びた靴屋さんはお客さんが来ないのに営業を続けられるのか?

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お客さんのいない駅前の古びた靴屋さんが生き残っている理由

一等地の駅前にある古びた靴屋さんを見かけたことはありませんでしょうか? 靴屋さんに限らず、昔ながらの衣料を扱っている洋服屋さん、宝石屋さんなど、ほとんどお客さんが来ていないのに長年一等地に所在している小売店を見かけます。

持ち家で従業員は家族だけだとすると、運営コストはそれほど掛かっていないと思われますが、店主一家の生活を支えるほどの収入があるとは思えません。ほとんどお客さんが来ないのになぜこのようなお店は営業を続けられるのでしょうか?

駅前に残り続けているということは、本業以外で収入があるはず

一つは、収入の柱は別にある可能性が高いということです。現在のようにチェーン展開する専門店やショッピングセンターが少なかった時代は、個人が運営する小売店で買い物をするのが一般的でした。当時稼いだお金をうまく運用して本業以外の資産運用が収入の柱になっていることがあります。埃を被った在庫の奥には株価チャートが映し出された複数のモニターが並んでいるということもありえます。また駅前の一等地という資産価値が高い土地を担保に借入をしてアパート経営をしているということもあるでしょう。私の家の近所に昔ながらの米屋さんがあります。現在の米関連収入は精米所運営くらいですが、かつての倉庫跡地に大きなアパートを構え、毎日優雅に犬の散歩をしています。ある植木屋さんは、植木事業は小規模ですが、かつて植木を栽培していた土地を老人介護施設に貸していて月百数十万円の収入があるということです。

このようにお客さんがほとんど来なくても、他のルートで十分な生活費を確保しており、本業での収入がなくてもやっていけるケースが多いです。ちなみにかつての蓄積や事業用の土地を活用した資産形成が十分にできなかった方は、だいたい駅前の土地を売却し、別な仕事をしているケースが多く、ずっと駅前の一等地で儲からない小売店をしている方は他の収入があると思って間違いありません。

 

平野薫
1978年宮城県大崎市生まれ。宇都宮大学農学部卒業後、キユーピー、帝国データバンクを経て、現在、小宮コンサルタンツでコンサルタントチームリーダー、エグゼクティブコンサルタントを務める。
帝国データバンク調査員時代を含めこれまで2000社の財務分析、1000人以上のビジネスパーソンに会計セミナーを実施。苦手意識を持つ人が多い「会計」を、豊富な事例と分かりやすい言葉で教えてくれると評判を博している。国内外107の経済指標を5年以上毎月更新。経済指標と実体経済を照らしあわせて説明する経済解説に定評がある。現在も16社の企業の経営会議に参加して業績数字のチェックも行っている。数字の羅列の中から変数を見出し、会社の問題点や予期せぬ成功を発見し、経営のアドバイスを実施している。

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※本記事は平野薫著の書籍『なぜコンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれないのか?』(ダイヤモンド社)から一部抜粋・編集しました。
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