生活費が上がり続けるいま、節約や年金、税金など「お金」について考える機会が増えたのではないでしょうか。どうすれば、シンプルながらも豊かな暮らしを実現できるか、識者からたくさんのヒントをいただきました。
ショコラさんの提案
月12万円で心豊かに小さく暮らす
限られた予算の中で満足のいく日々を実践
都内在住のショコラさん(66歳)。
24歳で結婚し、ふたりの息子さんが小学校に上がったときからパートを始め、42歳で別居、5年後に離婚を経験しました。
43歳で転職、契約社員から正社員、最終的には営業所長を務め、57歳で退職してからは、週4日パートをして暮らしています。
そんなショコラさんが決めているのは、毎月の生活費を12万円以内で収めることです。
「離婚と同時期に、1LDKのマンションを2000万円台前半で買いました。ローンの返済もあるので、それまで気にしなかった節約を意識し始め、今日までシンプルな暮らしを心がけています」
想定外の出費は予備費を使いながら予算内で生活
毎月の予算が12万円なのは、各種年金の合計がその金額だから。
約8万円のパート収入は今後のための貯金と、予備費として取っておきます。
「限られた予算ですが、切り詰めた生活ではありません」と断言するショコラさん。
具体的にはどういった暮らしなのか、ここでは2022年10月の出費の内訳と、ショコラさんの実践するシンプルな暮らしのための極意を紹介します。
財布は二つ使う
ひと月分の食費2万円と、その他の生活費+お小遣い4万円を、別々の財布で管理。「月半ばくらいに中身を見て、月末まで足りそうかそうでないかをチェック。使い過ぎなら後半は節約する、余裕があるなら日用品を買い足しています」
欲しいものはいったんノートに書く
以前は家計簿をつけていましたが、いまは月々の出費を決めているので細かくは記録しません。「その代わり欲しいものは必ず事前に書き出します。数日ノートを見て考えると衝動買いを控えられます」
週に2日はお金を使わない
週に4日のパートの日は昼食用にお弁当を持参。行き帰り以外は勤務先から外に出ないので、余計な買い物をしないで済みます。そんな「ノーマネーデー」を週2回は持つようにしているとか。
服はフリマで買う
ファッション好きなショコラさんですが、デパートなどで新品を買っていたらキリがありません。「いまはメルカリなどネットのフリマサイトで古着を安く買ったり、不要になったものは売っています」
靴は磨いて長く使う
仕事やプライベートで履く靴の白地部分は、100円ショップで売っているメラミンスポンジでこまめに磨くのが習慣。キレイに長持ちさせています。
本当に気に入ったものだけ買う
自宅に飾ってある照明や時計は2003年のマンション購入時から同じ。気に入ったものを厳選すれば頻繁に買い替えることなく、愛着が湧きます。
趣味のものはネットで安く買う
実店舗に比べて、同じものが安く売られていることも多いネットショッピングを大いに活用。買い物でたまったポイントも活用します。
取材・文/大正谷 成晴 撮影/齋藤ジン イラスト/かざまりさ