なぜ「から揚げ店」は「タピオカ店」の跡地にできる? 時代の流れにコミットする両者の共通点

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『なぜコンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれないのか?』 (平野薫/ダイヤモンド社)第4回【全5回】

コンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれない? 一見無関係な事柄同士でも、紐解くとお金の流れで繋がっていることがあります。本書『なぜコンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれないのか?』 は、日常の「ふとした疑問」をロジカルに解説した「お金の流れが見える本」。本連載では、コンビニコーヒーの値段から古びた店がつぶれない理由まで、5つの事例を紹介します。

※本記事は平野薫著の書籍『なぜコンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれないのか?』(ダイヤモンド社)から一部抜粋・編集しました。


なぜ最近唐揚げ店が急増しているのか?

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タピオカミルクティー屋の跡地に唐揚げ店が出現

一世を風靡したタピオカミルクティー屋。小さなスペースで開業でき、設備投資も少ないため初期投資も抑えられ、原価率も低いので高い収益性を見込めます。また調理ノウハウもあまり必要なく、ちょっとした店舗なら一人で十分オペレーションできます。そういった手軽さから一時は雨後のタケノコのように大量出店していました。当時は脱サラしてタピオカミルクティー屋を始めたという人も少なくないと思います。しかし10 年前に流行し店舗が増えた"白いたい焼き"と同じで、ブームは沈静化してきており、閉店する店も増えてきています。そのタピオカミルクティー屋の跡地に増えてきたのが"唐揚げ店"です。

最近はガストが、から揚げ専門店「から好し」を併設させた店舗を増やしていますし、ワタミが「から揚げの天才」という新業態を立ち上げるなど、唐揚げの存在感が増しています。日本唐揚協会の発表によると2023年3月時点の唐揚げ専門店の店舗数は推定で4388店舗。2012年の450店舗から10年余りで約10倍となったそうです。ここ1年はブームが沈静化し閉店する店もチラホラ出てきたものの、依然として増加しているようです。ちなみに数字で物事を考える際には、その数字の規模感を把握するために似たような他の数字と比較することが大事です。この場合には、同じ外食のマクドナルドは約3000店舗、吉野家が約1200店舗と聞けば唐揚げ店の多さを実感できるかと思います。

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平野薫
1978年宮城県大崎市生まれ。宇都宮大学農学部卒業後、キユーピー、帝国データバンクを経て、現在、小宮コンサルタンツでコンサルタントチームリーダー、エグゼクティブコンサルタントを務める。
帝国データバンク調査員時代を含めこれまで2000社の財務分析、1000人以上のビジネスパーソンに会計セミナーを実施。苦手意識を持つ人が多い「会計」を、豊富な事例と分かりやすい言葉で教えてくれると評判を博している。国内外107の経済指標を5年以上毎月更新。経済指標と実体経済を照らしあわせて説明する経済解説に定評がある。現在も16社の企業の経営会議に参加して業績数字のチェックも行っている。数字の羅列の中から変数を見出し、会社の問題点や予期せぬ成功を発見し、経営のアドバイスを実施している。

※本記事は平野薫著の書籍『なぜコンビニでお金をおろさない人はお金持ちになれないのか?』(ダイヤモンド社)から一部抜粋・編集しました。
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