光ディスクの容量は、刻まれたくぼみの数と密度で決まる/すごい技術

pixta_5977649_S.jpg私たちは毎日身のまわりの「便利なモノ」のおかげで快適に暮らしています。でもそれらがどういう仕組みなのか、よく知らないままにお付き合いしていませんか?

身近なモノに秘められた"感動もの"の技術を、書籍『身のまわりのすごい技術大百科』がわかりやすく解説します!

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DVDとBlu - ray(ブルーレイ)

ハイビジョン画質をそのまま保存できるBlu - ray が普及している。CDやDVDと、どこが違うのだろう。

デジタルテレビが普及し、自宅で映画館画質の映像を楽しむのが当たり前になっている。レンタルショップから借りる映画や、自宅で録画するホームビデオにも、当然、高画質が求められる。これを可能にした立役者がBlu -ray (略してBD)だ。CDやDVDと同一の直径12センチのディスクだが、記憶容量は単純に比較するとDVDの5倍以上にもなる。地上デジタル放送なら、片面1層で3時間以上の番組を録画できる容量である。

CD、DVD、BDはまとめて光ディスクと呼ばれる。記録情報が円盤状のくぼみ(すなわちピット)の模様で表現され、それをレーザー光で読み取るというしくみが共通のため、一つの名称でくくられているのだ。

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情報を読み取るしくみが同じであるCD、DVD、BDは、いったいどこが違うのだろうか。それはディスク上のピットの大きさと密度である。ディスクの面積が同じでも情報量が豊富になるぶん、BDの記録密度はCDやDVDよりも当然高い。そのため、ピットはより小さくなる。

さらに、これらのディスクを読み取る部分(ピックアップという)も、このピットの差異から構造の違いが生じる。細かいピットを正確に読み取るには短い波長の光が必要になるからだ。ピット模様の粗(あら)いCDは波長の長い赤色レーザーで読めたが、模様の細かいBDは波長の短い青紫色レーザーでないと読み取れない。

また、細かいピット模様の読み取り精度を高めるために、BDでは読み取り面がディスク表面近くにある。こうして、ディスクの反(そ)りによる読み取り誤差を小さくしているのである。 CDはディスクの裏面に、DVDは表裏の中間面にピット模様が刻まれている。

ちなみに、「Blue - ray 」ではなく「Blu-ray 」なのは、前者にすると、英語圏の国で「青色光」を意味する一般名詞と解釈されて、商標としての登録が認められない可能性があったためだ。gijutsu_p101.jpg

 

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涌井良幸(わくい・よしゆき)

1950年、東京都生まれ。東京教育大学(現・筑波大学)数学科を卒業後、千葉県立高等学校の教職に就く。教職退職後の現在は著作活動に専念している。貞美の実兄。


涌井貞美(わくいさだみ)

1952年、東京都生まれ。東京大学理学系研究科修士課程修了後、富士通に就職。その後、神奈川県立高等学校教員を経て、サイエンスライターとして独立。現在は書籍や雑誌の執筆を中心に活動している。良幸の実弟。


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『身のまわりのすごい技術大百科』

(涌井良幸・涌井貞美/KADOKAWA)

身近なモノに秘められた“感動もの”の技術、一挙解説! 身近な文具から、便利すぎるハイテク機器まで…あれもこれも、すべて「科学技術」の結晶なのです。日ごろよく使う「モノ」の“すごい技術”を図解でわかりやすく解説します。

この記事は書籍『身のまわりのすごい技術大百科』からの抜粋です

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