優先順位は最上位!「完璧な休養」はタスク化して徹底的に休め!/発達障害の仕事術

優先順位は最上位!「完璧な休養」はタスク化して徹底的に休め!/発達障害の仕事術 pixta_4188644_S.jpg仕事や人間関係がうまくいかない...「もしかして自分は大人の発達障害なのでは?」と悩む人が増えています。しかし、その解決策を具体的に示した本は少ないのが現状です。

本書『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』は発達障害の当事者が、試行錯誤と度重なる失敗の末に身につけた「本当に役立つ」ライフハック集。うつでもコミュ障でも、必ず社会で生き延びていける術を教えます!

◇◇◇

前の記事「人の名前が覚えられない? ならば「あだ名」で紐づけしよう!/発達障害の仕事術(20)」はこちら。

 

なぜあなたは 「休む」のが下手なのか?

最も重要なスケジュールとは何か?

人生において最も重要なスケジュールとは何でしょう。我々の人生に絶対に欠かすことのできないタスク。生きるために最も必要なもの。手帳のスケジュール欄に一番先に書き込んで確保すべき予定は何なのか。

これはもう本当に明確で、「休養」だと思います。休まなければ人は死にます。そして、「休む」というタスクの実行はあらゆるタスクの中で最も容易だと言えます。「何もしない」という最優先タスクから予定を考えていくことが一番重要、という結論に僕は達しました。というのも、我々は往々にして休養を取るのが下手だからです。

僕は、人生の大半において「休養」を「スケジュールを何とか帳尻合わせする余剰時間」として認識してきました。

こういうことです。例えば、今日が金曜日で締め切りが月曜日の必達タスクがある。この場合、我々はほぼ確実に日曜日の夜、そのタスクに取り掛かることになるでしょう。そして、3時間で終わると踏んでいたタスクは予想外に長引き、月曜の朝に何もかも終わった体調で世界と向き合う羽目になる。そういうことって多いですよね。

僕は、サラリーマン時代に会社から「宿題」を出されたとき、実にしばしばこのような事態に陥り、運が良ければひどい寝不足を抱えて、最悪の場合は全く終わっていない「宿題」を抱えて出社することになりました。あれはとても辛いものです......。「日曜日は完璧な休養というタスクがあるので、土曜の夜までに必達タスクを終えておかねばならない」。そういう認識でいれば避けられたことだと思います。

日曜の夜に徹夜でタスクをこなして迎える月曜日の絶望、皆さんも覚えがあるのではないでしょうか。この場合、必達タスクを頭に抱えながら過ごす土曜日も全く休養になっていません。焦燥感にジリジリと焼かれながら、結局動けずに過ごすあの時間、一切回復していないのは覚えがありますよね?

そういうわけで、「この日は休む」「この時間まで休む」という予定を真っ先にスケジュール帳に書き込む、という極めてシンプルなライフハックをおすすめいたします。そして、休養は神聖不可侵なる必達タスクであり、他の何かが入り込む余地はないと心得ましょう。

ここで重要なのは、「完璧な休日」はまさに「完璧な休日」である必要があるということです。具体的に言えば、ワイシャツをクリーニングに出したり、付き合い飲みに出たり、部屋を掃除したりするのは「完璧な休日」ではありません。それは別のタスクです。月に何日の「完璧な休日」が必要かは人によるでしょうが、最低3日は取ることを心からおすすめします。そして、スケジュールを組む段階で「絶対にこの日は休む」と定義してしまいましょう。

これは、起業されたりあるいはフリーランスだったり自営だったりする皆さんにとって最も重要な概念だと思います。というのも、「休養は優先度一位だ」と腹を括っておかないと休みなんてマジで取れません。

これは僕の特質なのかある種の症状なのかはわかりませんが、休まないと動けなくなることはわかり切っているくせに妙に付き合いがよく、誰かに何かを頼まれたり飲み会に誘われたりしたら「休みが取れなくなるな......」と思いながらもつい安請け合いをしてしまう悪癖もあります。衝動性の強いADHD傾向の皆さんにはあるあるではないかと思います。

 

意志を持って「休む」というタスクをこなす

月末には、とにかく翌月の「休養日」を定義しましょう。そして、それは「スケジュール」であり「タスク」ですから、厳密に守りましょう。ADHD度合いの強い人は「まずこれだけ」でもいいです。明らかに変化が出てきます。まずはここからです。「予定通り何もしなかった!」という達成感と、「今日休むことには何の罪悪感もない」という免罪符をまず勝ち取りましょう。本当に回復度合いに差が出ますよ。

スケジュール管理は、「予定通りこなせた」という達成感が積み上がっていくと好循環に入ります。ですから、まずは休みという最も達成の容易なタスクをスケジュール帳に書き留めましょう。そして、そのタスクを必ず達成すると決めましょう。「休むべき日に休むべくして休む」、これが我々の目標です。

「休養を取る」というタスクをこなすにも意志の力が必要で、適切な休養を取らなければ人間はどんどん崩れていきます。これを大事にしてください。必達タスクの第一位は休養。これだけは忘れないでください。


【まとめ】
・休養は、優先度ナンバーワンのタスク
・ワイシャツをクリーニングに出したり、付き合いの飲み会がある休日は休日ではない
・休むと決めたら絶対に休め

  

次の記事「社会の中で生きやすくなる「郷に入らば郷に従え」の心/発達障害の仕事術(22)」はこちら。

 

借金玉(しゃっきんだま)

1985年生まれ。診断はADHD(注意欠陥多動性障害)の発達障害者。幼少期から社会適応が全くできず、登校拒否落第寸前などを繰り返しつつギリギリ高校までは卒業。色々ありながらも早稲田大学を卒業した後、何かの間違いでとてもきちんとした金融機関に就職。全く仕事ができず逃走の後、一発逆転を狙って起業。一時は調子に乗るも昇った角度で落ちる大失敗。その後は1年かけて「うつの底」から這い出し、現在は営業マンとして働く。


 

『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』

(借金玉/KADOKAWA)

社会生活がうまくいかず苦しむ「大人の発達障害者」が増えていると言われる現代日本。発達障害によって30歳を前に人生をほぼ破たんさせかけた著者が、試行錯誤で編み出した「発達障害者のため」の今日から使えるライフハックを多数紹介! 仕事や人間関係がうまくいかない全ての人のための「日本一意識が低い」自己啓発書です。

この記事は書籍『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』からの抜粋です
PAGE TOP