人の名前が覚えられない? ならば「あだ名」で紐づけしよう!/発達障害の仕事術

pixta_36513133_S.jpg仕事や人間関係がうまくいかない...「もしかして自分は大人の発達障害なのでは?」と悩む人が増えています。しかし、その解決策を具体的に示した本は少ないのが現状です。

本書『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』は発達障害の当事者が、試行錯誤と度重なる失敗の末に身につけた「本当に役立つ」ライフハック集。うつでもコミュ障でも、必ず社会で生き延びていける術を教えます!

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記憶力がヤバい僕の「人の顔と名前」の覚え方

毎日会う上司の顔さえおぼろげです

最近僕は「名刺」を作りました。「借金玉」の名刺です。借金玉として受けるお仕事が増えたので、どうしても必要になってしまいました。そこには僕のキメ台詞である「やっていきましょう」、日頃の粗相を詫びる「いろいろあっていつもすいません」「雑な仕事と儲け話大歓迎」などが記載されています。

これは、僕自身が「人の顔を覚えるのが苦手」「人の名前を覚えるのが苦手」という大変社会人向きでない特質を持っているからこそ、その特質を持った人にも「覚えてもらおう」という気持ちを込めています。

例えば誰かに挨拶をするにしても、あるいはちょっとした敬意を示すにも、「その人が誰だかわからない」では洒落になりません。しかし、僕はとにかく視覚情報の処理がどうしようもなくダメなのです。これは多分「物を探せない」などとも通底する問題なのでしょうが、目から入ってきた情報が全く記憶できません。正直、毎日会う上司の顔すらおぼろげです。

一方で、僕は「概念」を覚えるのが得意です。この本も、後述する「部族の掟」とか「茶番センサー」であるとか、覚えやすさを重視した概念がたくさん登場します。こういうものをコレクションするのは僕の趣味です。

これはささやかなお話ですが、ツイッターで「ポリコレ棒」という単語を思いついて遊んでいたら、異常に流行した上に辞書にまで載ってしまいました。政治の絡む話なのであまり深くは書きませんし、いろいろあってログも残っていないのであれですが、とにかく「キャッチーな概念」というのは人間の記憶に深く残るものなのです。

当然、僕の「借金玉」というおかしな名前もそれを企図してつけたものです。僕の本名はイトウだとかスズキだとかそういう感じのよくあるものなのですが、「イトウさんの顔」は覚えにくくても「借金玉のツラ」は覚えやすい。

思い出してみてください。クラスに1人はいた非常にユーモラスなあだ名をつけられていたあいつの顔、大して親しくもないのに妙にクッキリ覚えていませんか。「人の顔の覚え方」に僕はこれを採用しています。要するに、こっそり「あだ名をつける」のです。具体例で言うと、「欠食児童」「カマボコ」「判定負け」などがあります。大変失礼な単語のオンパレードですが、こういうのが覚えやすいのでどうか許してもらいたい。辛辣なあだ名ほど人間を印象づけるものはありません。この技術で一世を風靡した芸能人もいらっしゃいましたよね。

 

名刺は顔を思い出す最強ツール

そう、名刺にこれを書けばいいのです。僕は人と名刺交換をした後、暇さえあればこの作業をやります。そして、あだ名をつけるという前提で人間を観察していると、自然に顔が頭に入るようになります。「視覚情報」と「概念」が統合されるのです。そして、ちょっと楽しいので苦にならない。

「んー、このエブチさんは......カマボコ!」と決めた瞬間、その2つがピタッと結びつきます。やっていることは小学生レベルですが、僕としては大変切実な作業です。

よりキャッチーであればキャッチーであるほど(言い換えれば失礼であるほうが)視覚情報と概念の結びつきが強くなるので、結果として「失礼」をする可能性が減るのです。

このハックは本当に効きます。おかしなツイッターネームの人、例えば友人ですと「新宿太郎総帥」という方がいらっしゃいますが、もう、1回会ったら顔と名前を一切忘れませんでした。「総帥」ってなんやねん、という気持ちが概念と視覚を結びつけるのです。多分「借金玉」と会ったことがある皆さんも、結構僕の顔を覚えてくれているのではないでしょうか。

自ら「借金玉」と名乗る僕の根性に免じて、この無礼なハックをお許し願いたいと思います。なお、僕の名刺入れは非公開です。絶対に公開しません。

 

【まとめ】
・人の顔と名前を覚えられないのは、発達障害あるあるです
・名刺にあだ名をメモする。そのために、相手をよく観察しよう

 

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借金玉(しゃっきんだま)

1985年生まれ。診断はADHD(注意欠陥多動性障害)の発達障害者。幼少期から社会適応が全くできず、登校拒否落第寸前などを繰り返しつつギリギリ高校までは卒業。色々ありながらも早稲田大学を卒業した後、何かの間違いでとてもきちんとした金融機関に就職。全く仕事ができず逃走の後、一発逆転を狙って起業。一時は調子に乗るも昇った角度で落ちる大失敗。その後は1年かけて「うつの底」から這い出し、現在は営業マンとして働く。


 

『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』

(借金玉/KADOKAWA)

社会生活がうまくいかず苦しむ「大人の発達障害者」が増えていると言われる現代日本。発達障害によって30歳を前に人生をほぼ破たんさせかけた著者が、試行錯誤で編み出した「発達障害者のため」の今日から使えるライフハックを多数紹介! 仕事や人間関係がうまくいかない全ての人のための「日本一意識が低い」自己啓発書です。

この記事は書籍『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』からの抜粋です
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