握力低下は大事なサイン
「ペットボトルのふたを開けるのに苦労するようになりました」
加齢とともに全身の筋力が低下していきますが、はじめのサインは握力の低下です。ペットボトルのふたが開けにくくなったという人は、黄色信号。筋肉を増やすことを心がけないと高齢になったとき日帰り温泉に行ったり、コンサートに行ったりすることが大変になってくる可能性があります。
握力は寿命にも関係します。カナダのマクマスター大学の研究によると、握力が5㎏低下すると死亡リスクは16%上昇するといわれています。
指の力と腕の内側の筋力を強化するための「壁立てふせ」をやりましょう。
【壁立てふせの方法】
(1)壁から約50cm離れて、壁に向かって立ちます。
(2)壁に手を当てて、腕立てふせの要領で腕を曲げて深く体を沈めます。
(3)腕を伸ばして元の位置にもどります。
10回1セット。楽にできるようになったら、指を立ててやってみるのもいいでしょう。
納得すれば、変われる
50年近く、健康づくり運動を続けてきました。はじめのころは模造紙に図をかいて、その後はスライド、それからパソコンのパワーポイントなどを利用し、できるだけわかりやすい図解を使って健康づくりを進めました。胸に落ちる、理解する、納得するのが行動変容を起こすうえで最も大事だと思ったからです。
『教えて! 毎日ほぼ元気のコツ 図でわかる鎌田式43のいい習慣』(集英社)は、快眠のコツや腸活、がん予防、認知症予防、フレイル対策など、中高年が抱えがちな問題に答えています。
「メリハリのない毎日、元気が出ません」「最近、耳が遠くなってきたのが不安です。どんな対策を?」「健康寿命を延ばす食べ物は?」...さまざまな疑問に対して答えるQ&A形式なのもわかりやすさの一つです。老いとうまくつきあっていくために、困ったときにサッと開く参考書になれば幸いです。
《カマタのこのごろ》
加藤登紀子コンサート2023「百万本のバラ物語」全国ツアーの第一回が、長野県松本市のキッセイ文化ホールで行われました。トークゲストとして鎌田もステージに上がりました。加藤さんにはJCFのウクライナ支援に、アルバム「果てなき大地の上に」の売り上げ金を約600万円寄付していただいています。ロビーではウクライナの子どもたちの絵画や写真を展示するコーナーも。エネルギッシュなすばらしいコンサートでした。