陽だまりに、もう早春の花庭/暮らしの晴れ間

静岡県熱海市在住の人気ガーデナー・水谷昭美さん。定期誌『毎日が発見』の連載「暮らしの晴れ間」から、季節を感じ、日々の暮らしをゆったりと楽しむ水谷さんの暮らしをご紹介します。今回は、「陽だまりに、もう早春の花」をお届けします。

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庭の隅にいつもいるお地蔵さんの置き物。咲き始めた花に気付いたのか、心な
しか微笑んでいるように見えます。

陽だまりに、もう早春の花

朝は震えるほど寒くても空が晴れ渡れば気温はぐんぐん上がり、庭のあちこちに陽だまりができます。

早春の花が咲き始めるのは、固かった地面や張り詰めていた空気がゆるむその頃。

我が家の1番バッターは、決まってミニ水仙です。

まぶしいくらいの黄色に気持ちが弾みます。

地際にはミニ水仙とビオラが

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水仙種の中でも早い時期にほころぶのがテータテート(Tete a tete)という名前のミニ水仙。teteはフランス語で頭の意味で、小さい頭を寄せて群れ咲く様子を表しているそう。言われてみればその通り、地際でひそひそ話をしているような愛らしさです。後ろで咲くのは、寒さに負けずに冬からずっと庭を彩ってくれているビオラ。

初々しい白花を寄せて

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無垢な白花も早春に似合います。中央と左の2輪は蛇の目傘のような寒咲蛇の目菊。右上はそのつぼみで、産毛に包まれ暖かそう。右はラナンキュラス。器は古いイギリス製のサンドイッチ入れ。

門扉にプリムラを

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透き通るような淡いレモン色のプリムラ。逆三角形のブリキの器に入れたらブーケのようで、思わず門の外に向けて飾りました。道行く人に小さな春をおすそ分けです。

【2月の定番おやつとおかず】

百合根チップスとさやえんどうの卵とじ

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百合根を洗って一片ずつに分け(下の写真)、熱したサラダ油でカラッと素揚げするだけ。熱々のうちに塩をふっていただきます。ほのかな甘みとほくほくとした食感がごちそうです。右上はさやえんどうの卵とじ。採れたてならではの、青くすがすがしい香りがします。

陽だまりに、もう早春の花庭/暮らしの晴れ間 2302_P004_06_W500.jpg陽だまりに、もう早春の花庭/暮らしの晴れ間 2302_P004_05_W500.jpg百合根(右)は夏に庭で咲いた鬼百合の球根。初冬に掘り出し、乾燥しないようおがくずの中で保管しておきました。巻き毛のような蔓(つる)がかわいいさやえんどう(左)は秋に種まきをして育てたもの。

取材・文/飯田充代 撮影/斎藤大地

 

水谷昭美(みずたに・あきみ)さん

1951年生まれのガーデナー。静岡県熱海市在住。幼い頃から一途に独学で多くの植物を育て、憧れだった里山暮らしを体現している。熱海市の公園や駅の植栽を手がけたこともある。

この記事は『毎日が発見』2023年2月号に掲載の情報です。

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