季節の廻りを教えてくれるのは、いつだって花たち。春の合図を受け取りませんか/暮らしの晴れ間

静岡県熱海市在住の人気ガーデナー・水谷昭美さん。定期誌『毎日が発見』の連載「暮らしの晴れ間」から、季節を感じ、日々の暮らしをゆったりと楽しむ水谷さんの暮らしをご紹介します。今回は、「春の合図」をお届けします。

摘みたての春菊

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秋に種を蒔き、野菜として育てた春菊。

茎葉は、若いうちに摘んでおいしくいただいていますが、実は花もこんなにかわいいのです。

本来の花期は3月くらいから。

でも、苗を密に植えておくと我先にと競い合って成長し、こんな風に一足早く花を咲かせることがあります。

洗いたてのグラスに挿してキッチンに飾れば、日差しを浴びてなんだかうれしそう。

春の合図を受け取ります

節分を過ぎると、こよみの上では春。

凍てつく朝もあるけれど、太陽が昇れば、陽だまりはぽかぽかと暖かいものです。

気付けば、足元には、野すみれやオオイヌノフグリの青い花...。

光のような模様の黄色い花、春菊もほころび始めます。

季節の廻りを教えてくれるのは、いつだって花たち。

私の気持ちも春へと向かいます。

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柊の枝に鰯の頭を付けた節分のお飾り。葉先のギザギザと、焼いた鰯の匂いで魔を除けるという昔ながらの風習です。幸運を祈って玄関先に。

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豆まきの代わりに...

節分に、「鬼は外、福は内...」と言いながらいり豆をまく習慣は卒業。でも、昔から伝わる日本の風習は大切にしたいから、近年はゆで大豆をいただくことにしています。春を待ちきれずに咲いた野すみれと黄梅を隣に置いて。

【2月の定番お昼ご飯】七輪で。鰯の塩焼き

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昭和時代から使っている七輪を裏庭に出し、炭で火をおこして、鰯を丸ごと焼きました。新鮮な魚が手に入ったときは、ときどき、こうして外ランチを楽しみます。焼き方はシンプル。鰯に塩をふり、七輪にのせた網の上で両面を焼くだけ。あたりに立ち込める香ばしい匂いや、脂がジューッと滴る音もごちそうです。

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取材・文/飯田充代 撮影/斎藤大地

 

水谷昭美(みずたに・あきみ)さん

1951年、愛知県生まれ、静岡県熱海市在住。幼い頃からお小遣いを全て花代に使ったという生粋のガーデナー。著書に『小さな庭に四季をつくる』(主婦と生活社)ほかがある。

この記事は『毎日が発見』2022年2月号に掲載の情報です。

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