ほころぶと地際がにぎやかになって、ああ、春が来た...早春の香りを感じましょう/暮らしの晴れ間

静岡県熱海市在住の人気ガーデナー・水谷昭美さん。定期誌『毎日が発見』の連載「暮らしの晴れ間」から、季節を感じ、日々の暮らしをゆったりと楽しむ水谷さんの暮らしをご紹介します。今回は、「早春の香り」をお届けします。

ほころぶと地際がにぎやかになって、ああ、春が来た...早春の香りを感じましょう/暮らしの晴れ間 2203_p005_01.jpg水栽培で部屋を彩ってくれたヒヤシンス。このまま球根ごと土に植え直して、しばらく花を楽しみます。やがて花がしおれたら、葉を残して花茎をカット。さらに時間をおいて葉が黄変してきたら、それも切り落とします。こうして春夏秋を越し、冬の寒さに当たりながら、球根は地中でエネルギーをたくわえ、来年花を咲かせる準備をします。

早春の香り、ヒヤシンス

植えっぱなしでも、手をかけなくても、毎年、花をちゃんと咲かせてくれる生命力あふれる球根花が好きです。

例えばヒヤシンス、ムスカリ、クロッカス...。

どれも草丈は低くて、庭の中ではおチビちゃん。

でも、ほころぶと地際がにぎやかになってああ、春が来た...と思います。

この春は、久しぶりに水栽培も楽しみました。

写真は、飾っている間ずっと、部屋をさわやかな香りで満たしてくれたヒヤシンス。

そろそろ水から上げて、土に返します。

「来年もまた咲いてね」

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小さいブドウのようなムスカリの花。土から球根ごと掘り上げて、水に挿しました。

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上・花姿をそのまま表した名の紫花菜。こぼれ種で群れ咲く素朴な一年草です。

下・星形の愛らしい花、ハナニラ。散歩の途中、道端で見かけることも。

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えんどう豆の花。花の後にサヤがなり、中の豆が膨らんだら食べ頃。収穫していただきます。

【3月の定番ランチ】えんどう豆ご飯

ほころぶと地際がにぎやかになって、ああ、春が来た...早春の香りを感じましょう/暮らしの晴れ間 2203_p004_02.jpg豆は、庭で育てたえんどう豆。研いだ米に、水と、サヤから取り出した豆、だし用の切り昆布、適量の日本酒と塩を加えて炊きました。豆独特の青い香りとほくほくした食感がうれしい、幼い頃から親しんできた味。ご飯の中から豆ばかりを拾って食べ、おばあちゃんに叱られた...。そんな懐かしい思い出がよみがえります。

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取材・文/飯田充代 撮影/斎藤大地

 

水谷昭美(みずたに・あきみ)さん

1951年、愛知県生まれ、静岡県熱海市在住。幼い頃からお小遣いを全て花代に使ったという生粋のガーデナー。著書に『小さな庭に四季をつくる』(主婦と生活社)ほかがある。

この記事は『毎日が発見』2022年3月号に掲載の情報です。

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