人と一緒にいるのが疲れる、人付き合いが苦手など対人関係に悩みを抱えていませんか。自身も極度の人見知りという午堂登紀雄さんは「外交的な付き合い方が苦手でも生きていける」といいます。そんな午堂さんの著書『「人見知り」として生きていくとと決めたら読む本』(すばる舎)から、口下手や人見知りでも無理せずコミュニケーションができ、孤独すらも楽しむコツを連載形式でお届けします。
人見知りの資質を生かすコミュニケーション方法がある
人見知りする人の多くが、自分を変えようとしているのではないでしょうか。
それはなぜかというと、「社会人ともなれば、たくさんの人と仲良くしたり、会話を楽しくはずませたりしなくてはならない」という考えを刷り込まれているからだと思います。
そのせいでよけい、内気な自分にコンプレックスを感じたり、「うまく話せないのではないか」と気後れしてしまうのです。
まずは、こうした「刷り込み」をいったん頭から消し去ることです。
そして、人見知りの自分に合ったコミュニケーションの取り方とは何かを考えてみましょう。
結論から言います。
会話をするときに、人を楽しませようとしない。
自分から話を振り、場を盛り上げるといったサービスもやめる。
自分から会話をはずませる必要はありません。
なぜなら、人見知りに備わっているある「能力」を生かすことで、相手のほうから会話をはずませてくれるようになるからです。
その能力のひとつが「聞く力」です。
具体的には、聞き役に徹するということです。
相手の話を聞きながら、リアクションし、相づちを打って共感してあげるのです。
昨今では自分の気持ちを知ってほしい、認めてほしいという承認欲求が強い人が多いので、じっくり聞いてもらえれば、たいていの人は喜んで、どんどん話してくれるでしょう。
そもそもコミュニケーション能力とは、全員に好かれるような気の利いた発言をすることや、立て板に水のごとくスラスラとしゃべる能力ではありません。
「目的に応じて適切に意思疎通できる力」のことです。
意思疎通とはお互いの感情や意図を伝え合うことですが、人見知りに限っていえば、相手の意図するところを汲み取り、共感することで、相手を尊重している、というメッセージを発信することにまずは比重をおきましょう。
会話の目的が達成できればよいのですから、ムリして明るく振る舞ったり、饒舌にしゃべったりする必要は必ずしもなく、自分がやりやすい方法でコミュニケーションをとればいいのです。
大事なのは、「人見知りの資質をいかに発揮できるか」を考え追求することです。
実はちょっとしたコツを踏まえることで、ストレスを感じずに、ラクに振る舞まえるようになります。
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