人と一緒にいるのが疲れる、人付き合いが苦手など対人関係に悩みを抱えていませんか。自身も極度の人見知りという午堂登紀雄さんは「外交的な付き合い方が苦手でも生きていける」といいます。そんな午堂さんの著書『「人見知り」として生きていくとと決めたら読む本』(すばる舎)から、口下手や人見知りでも無理せずコミュニケーションができ、孤独すらも楽しむコツを連載形式でお届けします。
人見知りの程度はさまざま
一般的に「人見知りする」とは、知らない人を見て恥ずかしがったり、初対面の人とコミュニケーションをとったりするのが苦手だと感じることを指します。
コミュニケーションや対人関係に苦手意識をもっている人の多くが感じる、ごく普通の感情といえるでしょう。
とはいえ、人見知りの度合いには違いがあり、私のように重い人もいれば、軽い人もいます。
人見知りの中にも、さまざまなタイプがいて、初対面のときは緊張しても、打ち解ければ快活に話せる、隠れ外向的な人もいます。
ここでは、いわゆる外向的ではないタイプ、すなわち「内向的なタイプの人見知り」についてお話ししていきます。
人見知りの表れ方は、人それぞれで、ときには「内気」「恥ずかしがり屋」「口ベタ」「引っ込み思案」などと称されることもあるようです。
私の場合は、複数の症状を併発しており、その意味で重度の人見知りといえます。
初対面はもちろん、知り合いになっても、"人見知り状態"は続き、なかなか打ち解けて話すことができないからです。
振り返ってみれば、たとえば大学時代のサークルでもすぐに孤立し、行かなくなりました。
大学の卒業式もサボっています。
親しい友だちはいないうえに、見知らぬ人と一緒に過ごさなくてはならない場は苦痛だったからです。
このため、後で卒業証書だけ事務局に取りに行きました。
あるいは友人の結婚式に呼ばれたとき。
自分のテーブルに知っている人は誰もおらず、結局、一言も発することなく2時間を耐え抜きました。
会社勤めをし始めた頃、会社の最寄り駅でばったり同僚を見かけると、見つからないようにひっそりルートを変えて通勤していました。
会社の飲み会でも、いつもポツンと一人酒状態になります。
これ以外にも、たくさんあります。
でも、悪いことばかりではありません。
極端すぎる人見知りが功を奏して、ある種の"悟りに似た心境"が訪れたからです。
それが「人見知りという自分の性向を受け入れ、逆らわずに生きていく」という姿勢です。
なぜ、このことに気がつかなかったのか、もっと早く知っていれば、もっとラクに生きられたのに、とも思います。
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