日々の暮らしや仕事でイライラ...それ、消したいと思いませんか? そこで、「行動の習慣化でストレスは消せる」という医学博士・矢作直樹さんの著書『あらゆるストレスが消えていく50の神習慣』(ワニブックス)から、心が穏やかになる「日々の暮らしの方」のヒントをお届けします。
大目に見る気持ちでクレームを言わない
皆さんは満員電車の中で、足を踏まれたらどうしますか?
隣の人の肘が、お腹に当たったらどうしますか?
混んでいる電車の中ではお互い様ですが、思わずイラっとしてしまい、つい、舌打ちなどしていないでしょうか?
電車はさまざまな人が乗っているので、マナーが悪い人もいたりします。
例えば、混んでいるのに、大きいリュックサックを背負ったまま乗っている人。
大音量で音楽を流している人。
スマホに夢中になるあまり、扉をふさいで乗り降りの邪魔になっている人......。
マナーが悪い人を見ると、違和感がありますが、よほどでない限り、私は注意をしません。
大切なことは、イライラして、自分が不快にならないことです。
例えば、酔っぱらっている人が誰かに絡んでいて、その人が困っているようでしたら、もちろん助けに入ることはいいと思います。
しかし、その際にも、怒りやイライラは不要です。
困っている人をただ助ければいいのです。
満員電車では皆、疲れていて、ときには殺気立っていることもあるかもしれません。
しかし、その中で、自分だけ気分良く過ごすことはできるのです。
少なくとも、多少のことは目をつぶり、足を踏まれたぐらいで、舌打ちをしたり、文句を言ったりしないことです。
かえって自分が疲れてしまうからです。
何かあっても、「大丈夫です」とさらっと伝えてあげましょう。
以前、満員電車の中で、「スマホが背中に当たっている!」と文句を言っている女の人がいました。
「それぐらいのこと、気にしなければいいのにな」と思っていたら、なんと、相手の人が言い返したのです。
「当たってないわよ!これくらいいいじゃない!」と。
その後も、しばらく言い争いが続いたので、電車の空気はどんより......。
私はせめて周りの人の気分が悪くならないように、電車の中を浄化していました。
製造業の友人の話では、この20年、クレームは増え、中には悪質なものもあると言います。
経年劣化やユーザーの誤使用まで、すべてメーカーの責任にされることもあるそうです。
もちろん、是々非々で対応するそうですが、最近ではSNSの発達により、誰でも意見を発信できようになりました。
そういった意味では、ネットで悪いうわさが流れないように企業の対応も複雑になるでしょう。
もちろん、不良品や対応のミスについて、企業に指摘をし、是正してもらうことは消費者として当然かもしれません。
しかし、多少のことは大目にみるというおおらかな風土のほうがお互い幸せです。
100パーセントを求めて、細かなところに目くじらを立てる必要はありません。
「そういうことも、あるよね」そう受け流してはいかがでしょう?
相手のミスを許すことは、結果として、自分のミスも許してもらうことにつながるかもしれません。
私は昨今のクレーム現象を「許さない社会」と表現することがあります。
本当に息苦しい世の中です。
この世の中を変えるために、私たち一人ひとりが「許さない社会で許す」ことを実践するのです。
レストランで注文していない料理が届いても、「私は○○を頼んだのですけれど、これも美味しそうだから、こちらで結構です」と言ってみたいですね。
食べ物を廃棄しないですみますし、店員さんもホッとするでしょう。
そして、お腹が空いた私もすぐ食べ物にありつけて、三方良しです。
許さない社会だからこそ、私たちはクレームを言わないようにしたいですね。
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東京大学名誉教授で医学博士の著者が厳選した、ストレスフリーになれる「50の行動」が提案されています