「家の片づけを始めても、なぜかなかなか進まない」と思うことってありますよね? そんな悩みを10年以上前からブログでつづったことで、モノに囲まれた暮らしから「もたない暮らし」に変えた人気ブロガーのriamo*さん。そんなriamo*さんの著書『「もたない暮らし」の始め方』(すばる舎)から、誰でもすぐに試せる「片づけ上手になる工夫」をお届けします。
突っ張り棒やS字フックで収納力アップ...
かつて、収納術が流行ったことがありました。
連日のように、テレビや雑誌で取り上げられていました。
牛乳パックの空き箱で、引き出しの中もたっぷり収納。
狭い隙間には、突っ張り棒で、S字フックで引っ掛け収納。
壁面には、ワイヤーラック。
ありとあらゆる場所にモノが置ける!こんなところにもまだ置ける!
当時の私は衝撃を受けました。
収納術に影響を受けて、家の中のあらゆる場所で試しました。
ソファの下にトレーを入れ、読みかけの雑誌を収納したり。
カラーボックスにカフェカーテンをつけて、隠すだけの収納をしたり......。
モノを押し込めるので、一見片づいたように見えます。
片づいているのではなく、視界から一瞬見えなくなっただけに過ぎないのです。
スッキリは長続きしません。
いつの間にかモノがあふれて、また収納グッズを買ってくる。
そして、気がつくのです。
「収納で片づく」は、妄想に過ぎないことを......。
もたない暮らしを始めて、たくさんの使っていないものを処分しました。
モノを捨てると収納グッズが不要になりました。
はじめからモノを捨てておけば、そもそも収納グッズなど必要でなかったのです。
捨てられないからと、収納にモノを押し込んで、捨てることを先延ばしにする。
ただ、モノを下から上に、右から左に、移動させただけなのです。
移動させるだけなので、何の解決にもなっていなかった......。
収納術では、片づきません。
まずは、捨てること。
そして、残ったものを取り出しやすく、使いやすくするために、
ここで初めて収納術を使います。
クローゼットに服が入らないと、新しい収納ケースを買ってくる前に。
まずは、今あるものが本当に必要なものなのか、見極めてみてくださいね。
収納ケースに押し込んでも、いつかそのケースから服がはみ出して、また同じことの繰り返しになりかねません。
収納より捨てること。捨てることより選ぶこと
私は、収納術を取り入れたことによって、部屋が整うまでに随分と遠回りしたなと感じています。
小さい頃から、モノを大切にしなさいと言われて育ちました。
捨てるなんて罪だというのも、ごもっともなご意見です。
けれども、使っていないものを収納して家の中にただ眠らせておく方が、どれほどもったいないことか......。
捨てることに罪悪感がないのか?と問われれば、そうではありません。
もちろん痛みも伴います。
でも、その痛みを感じるからこそ、次にモノを選ぶときは、より慎重になります。今まで自分が捨てたものは、どんなものだったのか?を考えます。
それは、「これで、いっか」と選んだもの、「これ、安い!」と飛びついたもの、誘惑に目がくらんだ衝動買い......。
モノを捨てる一方で、ちゃんとしたものを選ぶ目を持っていないと、また罪悪感を感じながら捨てることになります。
捨てることより、実は、モノを選ぶ方がずっと難しいのです。
「迷う理由が値段なら買え。買う理由が値段ならやめておけ」という言葉があります。
安いからと買っていては、またモノが増えていく。
迷う理由が値段だとしたら、ちょっと頑張って、時間がかかっても手に入れる。
そうすると、大切にしたいものに囲まれるようになります。
お手入れの手間を惜しまない、長く使えるものが選べるようになります。
モノを最後まで使い切る。いつかは「捨てない暮らし」が目標です。
イラスト:ナカイミナ
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