福を呼び込む!知っておきたい「立春」の基礎知識

厳しい寒さが続きますが、暦の上では2月4日(火)が立春です。立春は、太陽の動きによる暦の数え方である「二十四節気(にじゅうしせっき)」において春の始まりを意味する、一番目の季節。國學院大學大学院客員教授の新谷尚紀先生に、立春にまつわる行事などについて、教えていただきました。

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「二十四節気は、もともと古代中国で作られた暦です。日本には飛鳥時代ごろに伝来し、合わせて立春の考え方も広まったといいます」と新谷先生
よく春分から春が始まると思いがちですが、春分は「二十四節気」では春の真ん中の季節です。

現在の新暦では、毎年2月4日前後が立春にあたりますが、かつてはこの日から新しい一年が始まるとされていました。
また、「二十四節気が太陽の動きによって決まるのに対し、旧暦は月の満ち欠けによって決まるため、年によっては立春の前後に旧暦の1月1日がやってくることもありました。
旧暦を使っていた明治5(1872)年までは、立春とお正月を前後して祝っていたのです」(新谷先生)

昔の風習にならって、改めて立春の日に新年の始まりを祝い、来福を願ってみませんか。

二十四節気とは?

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太陽の動きに基づいて決められた暦。
一年で最も昼の長い日を夏至、最も昼の短い日を冬至、昼と夜の長さが同じ日を春分・秋分として春夏秋冬の4つに分け、さらに各々を6つに分けて季節名をつけています。
古代中国から伝来したので、日本の気候とは少しずれています。

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福を呼び込んで幸せな春を迎えましょう
~立春にまつわる行事~

節分

2002p007_01.jpg本来「節分」とは一年に4回あり、立春・立夏・立秋・立冬の前日を指します。
かつて立春は新年が始まる日だったので、前日の節分は大みそかにあたる日。
一年の最後に邪気を払い、翌年の運を呼び込む風習が豆まきとして現代に残っています。

立春大吉

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京都などの寺院では、立春の日に「立春大吉」と書いた紙を門に貼ることがあります。
これは、禅寺の習慣に由来する厄除け。
この文字は縦書きすると左右対称になり、「一年間、災難に左右されないように」という願いが込められています。

若水(わかみず)

2002p007_03.jpg「若水」とは、立春の日の朝に井戸や湧き水などでくむ水のこと。
「この水は邪気を除くと信じられ、昔は神棚に供えたり、お茶をたてて飲んだりしていました」(新谷先生)。
いまでも料亭や寺院、茶道などで大切に受け継がれています。

こんなものごとも「立春」に関係しています

春一番

立春から春分の間に初めて吹く強い南風のこと。
この風が吹いた日は気温も上がり、本格的な春の到来を感じさせてくれたます。
2月中旬から3月中旬に吹くことが一多いですが、観測されない年もあります。

余寒見舞い

年賀状以降の挨拶状として節分までに出すのが「寒中見舞い」、立春の日から2月末までに出すのが「余寒見舞い」。
立春は寒が明け、春が始まる季節ですが、まだ寒さが残ることから「余寒」といいます。

八十八夜

かつて立春は一年の始まりの日だったことから、この日を基準にさまざまな節目が決められていました。
唱歌「茶摘み」で歌われる"八十八夜"もその一つ。立春の日から数えて88日目を指します。

立春のころの旬の食べ物と季節の花々

福寿草

2002p007_07.jpg2月上旬から3月下旬に開花し、「元日草(がんじつそう)」「朔日草(ついたちそう)」との別名も。
新年を祝う、縁起の良い花として愛されています。

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2月上旬から咲き始め、春の花で最も早く咲くことから「百花の魁(さきがけ)」「春告草(はるつげぐさ)」とも呼ばれます。4月上旬までが見ごろ。

ふきのとう

2002p007_05.jpg立春のころに土の中から顔を出す。
早春の訪れを教えてくれる山菜の一つです。
花が咲く前のつぼみを食します。

いよかん・ぽんかん

2002p007_04.jpg立春のころに旬を迎える柑橘類です。
昔、みかんなどの冬の柑橘類は太陽に見立てられ、陽の気の象徴だったそうです。

取材・文/岡田知子(BLOOM)

 

<教えてくれた人>

新谷尚紀(しんたに・たかのり)先生

國學院大學大学院 客員教授、国立歴史民俗博物館 名誉教授ほか。民俗学を専門とし、日本を中心とする伝統行事や祭祀、神社、生活、食などについて研究。著書に『日本のしきたりがまるごとわかる本 完全保存版』(晋遊舎ムック)など。

この記事は『毎日が発見』2020年2月号に掲載の情報です。

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