毎月12万円のパート収入でやりくりをし、「老前整理」としてのものを減らしながらシンプルに暮らす――。そんな日々を綴ったブログが人気となったショコラさんの著書『58歳から 日々を大切に小さく暮らす』(すばる舎)より、「慎ましくも工夫して楽しむ生活」のヒントを、連載形式でお届けします。
毎月12 万円でやりくりしています
6年前に正社員で働いていた会社を退職し、その後はパートとして手取り10万円ほどになりました。
会社を辞めたのは、マンションのローンも完済し、気持ちがゆるんだのかもしれません。とはいっても、一戸建てと違いマンションは管理費、修繕積立金がかかるので、その負担は住んでいるかぎり続きます。
修繕積立金は、16年の間に大規模修繕もあったことで、何回か値上げがありました。今は管理費と合わせ、毎月約2万3000円の支払いです。その他、固定資産税が月にすると約7000円、合わせて毎月3万円がかかっています。
残り7万円で生活するのは結構きつかったのですが、1年前から会社が変わり、お給料も上がって手取り12万円ほどになりました。
マンションにかかる3万円の他、水道光熱費、保険、通信費等を合わせて6万円を固定費にし、残り6万円を現金で食費、その他の出費に分けて管理しています。
家計簿はやめ、予算制でざっくり管理
24歳で結婚してから、家計簿を欠かさずつけてきました。
家計簿はつけたことがない、始めてもすぐにつけなくなってしまう、という人も多いようです。私の場合、母の影響が大きく、子どもの頃から、夜になると母が財布からレシートを取り出し、大学ノートにその日の買い物を細かく書き、そろばんをはじくのを見ていました。
結婚したら掃除や洗濯、食事の支度をするように、家計簿を使うものだと思っていたのです。ちなみに、主婦である妹も同じように、何十年も家計簿をつけているようです。
89歳になる母は、今でも家計簿をつけているので、あっぱれというか尊敬してしまいます。
当時、主婦向け月刊誌の新年号には必ず付録に家計簿がついていて、毎年買っていました。毎晩レシートを見ながら、豚肉〇〇円、大根〇〇円、卵〇〇円、シャンプー〇〇円......と一品ずつ書き、毎月合計を出し、赤字を確認して......。
今にすれば、なんとヒマな、なんとムダなことをしていたのだろうと思うこともありますが、使ったお金を記録する習慣が身についたことは確かです。
数年前の家計簿。残しておきたい記録をつけていました。友人にもらったダコタのペン。羽ペンのようなデザインのカバーが素敵。
ひとり暮らしになってからは、時間もなく、細かくつけることはなくなりましたが、身についた習慣で、洋服などを買ったときの記録は続けていました。
正社員の仕事を辞め、手取り10万円での生活が始まったときは途方にくれました。節約、やりくりのため再び家計簿をつけるように。1年前からお給料が上がり、月12万円で生活するためのお金の使い方がわかってきたので、昨年の秋に家計簿はやめました。
百均の金銭出納帳に、月ごとに憶えておきたい買い物はその都度書いています。たとえば、美容室、化粧品、服やバッグ、出かけたときの外食費、贈り物等です。
キャメル色の小さな財布はダイソーで購入。食費用の財布として、家に置いています。中央に仕切りがあり、お札と小銭を分けて。
生活費予算を分けて
固定費以外の現金予算6万円は、食費2万円、その他4万円を月初にそれぞれ別の財布に入れます。
食費は外食費は含まず、日々の食材やお菓子類。家計簿はつけず、財布も家に置き、財布の残金を見ながら1ヵ月過ごします。
持ち歩く財布には4万円を入れ、日用雑貨や外食、滅多にありませんが服やバッグの購入等に使います。
スーパーなどで食材を買ったときは、使った分を食費用の財布から移動しています。
クレジットカードは持ち歩きません。ただ、財布を忘れたといったときのため、パスケースのスイカにクレジット機能があります。
ネットで買い物したときはクレジット決済ですが、その都度買った金額を財布から抜き、まとめて銀行口座に入金しています。クレジットカードで買い物しすぎるということもありません。
少ない予算では、食べるものの質は落ちたし、買い物はヤフオクがメイン。
でも、楽しむことにお金を使っていれば、少ないお金でも日々のメリハリがつき、悲観することもありません。決まった予算の中で生活する習慣もできたので、今は家計簿をつけるという観念がなくなりました。
自分が働いて得たお金だから、よく考え納得できる使い方をしたいと思っています。
撮影/林ひろし
★その他の「58歳から 日々を大切に小さく暮らす」記事リストはこちら!
「老前整理」として物を整理しつつ、「シンプルで豊かな暮らし」が詰まった一冊です。