「親つく料理」ってご存じですか? 料理研究家が20余年続けた親孝行のカタチ

どんなに離れて暮らしていても、気になってしまうのが「親の健康」。その気持ち、作って送れば、保存しておける「親つく」料理でカタチにしてみませんか? 今回は、そんな「親つく」を20年余り実践してきた料理研究家・林幸子さんの著書『介護じゃないけど、やっぱり心配だから 親に作って届けたい、つくりおき』から、親子の心もつなぐレシピと作り方のコツを連載形式で紹介します。

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「おいしいから食べてみて」から始まり20余年

いつのころからか、「実家に様子を見に行かなければ」とか「父はコンビニにも行きたがらないから」という話を耳にするようになり、ひとり暮らしの親御さんが多くなったのだなと実感しています。

どなたもそれなりにお元気で、行きたいところには杖をついてでも出かけるけれど、なにが面倒って料理をすることが面倒らしい。

でもコンビニもスーパーの惣菜も口に合わないとなると、うちの親はいったいなに食べてるのか心配と異口同音。

わたしの場合は、実家の母は関西でひとり暮らし。

自分でちょっとした煮炊きはしているようですが、クール便でおかずを送っています。

実の親子の気軽さで「お出汁がいちばん役に立つわ」なんて言っていますが、喜んで食べてくれているのは隠せません。

夫の母は近県の施設にいるのでときどき訪問して食事に連れ出したり、つまめる料理や手作りのスイーツを持参しています。

どちらの母にも最初は「おいしいから食べてみて」と気楽に届けたのが始まり。

気がつけば、20余年続けてきたことになります。

その話を周囲にしたら、どうやっているのか教えてほしいという声の多さにびっくり。

言うまでもなく、人のカラダは、その人が食べたものでつくられます。

高齢者とてそれは同じこと。

最後まで健やかでいてほしいから、「親に作って届ける・つくりおき」=「親つく」。

高齢者の体力・気力は個人差が大きい上に、それまで暮らしてきた個人の歴史もあるので、「親つく」もそれぞれの親御さんにあわせた工夫が必要ですが、大筋としてご参考にしていただければ、とてもうれしいです。

作る人は無理なく!食べる人は気兼ねなく!
「親つく」を笑顔で続けるための4つのコツ

一、食べきりサイズで小さく小分け
二、容器は思い切って、使い捨てを
三、冷蔵保存で大丈夫
四、たった"ひと言"で想いは伝わる

「親つく料理」ってご存じですか? 料理研究家が20余年続けた親孝行のカタチ 080-syoei-oyatsuku.jpgメインおかずからおやつまで、約80の「親つく」レシピが掲載。調理に役立つコツがまとめられた7つのコラムも

 

林 幸子(はやし・ゆきこ)

料理研究家。東京・表参道の料理教室「アトリエ・グー」主宰。大手食品会社で料理開発に携わった後、独立。「おいしい」をあらゆる角度から検証し、そのエビデンスを追及する。NHK「ガッテン!」などのテレビや雑誌で活躍中。著書に『料理研究家がうちでやっているラクして楽しむ台所術』(サンマーク出版)などがある。

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『介護じゃないけど、やっぱり心配だから 親に作って届けたい、つくりおき』

(林 幸子/大和書房)

親の健康を思うがゆえに生まれた、「親」に作って届けたい「つくりおき」。それが「親つく」料理。肉・魚のおかずから、野菜のおかず、ご飯に汁もの、おやつまで約80レシピを紹介。高齢の親でも食べやすく、さらに食べたいと思わせる工夫と知恵が詰まった愛情料理本です。

※この記事は『介護じゃないけど、やっぱり心配だから 親に作って届けたい、つくりおき』(林 幸子/大和書房)からの抜粋です。
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