最も安全な玄関に非常用品を!「防災大掃除」のススメ

災害が起こったら避難所へ避難すればいいと考えている方が多いと思います。では、避難所に行けば安全なのかというと、そうとは限りません。

「日本は避難所が少ないせいもあり、1人に与えられるスペースは約1畳分、仮設トイレは50人に1台です。しかしスフィア基準(人道憲章と人道対応に関する最低基準)が推奨しているのは、1人3.5平方メートル、トイレは20人に1台以上です。また避難所は騒がしく、眠れないなどあり、阪神・淡路大震災では919人もの方が、避難所で亡くなっています」

そう話すのは、多くの企業や自治体の防災アドバイザーを歴任する山村武彦先生。今回は、避難しなくても生活ができるよう自宅を整理する「防災大掃除」について、押さえておきたいポイントをお聞きしました。

<我が家を安全にする3つのポイント>

●玄関

落下物も少なく、屋外に出られる玄関は最も安全なゾーンです。ここに非常用持ち出し袋やライトなどを置いておくといいでしょう。緊急地震速報や小さな揺れを感じたら、玄関に行ってドアを開け、避難経路の確保をしましょう。

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●耐震診断

地震が起こった際、自宅は耐震性があるか、専門家にみてもらうと安心です。居住地域の市区町村役所や都道府県の建築行政担当部局に問い合わせを。自治体により助成金が出ることがあるので確認しましょう。

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●階段・廊下

避難しようとしても、階段や廊下に物が置かれていると、つまずいたり、通路がふさがれ逃げられないことも。不必要な物は捨てて整理を。地震発生時、古い木造家屋1階にいるなら外へ脱出。2階にいたら慌てて1階に下りないように。

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耐震シェルターをご存じですか?

木造一軒家の場合、地震が起きても壊れず、命を守ってくれる耐震シェルターを自宅に作ることができます。価格はものにもよりますが約20万円からあり、2日ほどで設置可能。自治体により助成金を交付しているので、問い合わせを。経済的な理由で大がかりな耐震改修ができない方にもおすすめです。

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山村武彦(やまむら・たけひこ)先生

防災システム研究所所長。東京都出身。50年以上にわたり世界中で発生する災害の現地調査を実施。テレビ解説や講演、執筆などを通じ、防災意識の啓発に取り組む。また多くの企業や自治体の防災アドバイザーを歴任し、BCPマニュアルや防災マニュアルの策定など災害に強い企業、社会、街づくりに携わる。『南三陸町 屋上の円陣』など著書多数。

この記事は『毎日が発見』2019年9月号に掲載の情報です。

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